研究課題/領域番号 |
16038213
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 大阪大学 (2005) 東京工業大学 (2004) |
研究代表者 |
中澤 康浩 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60222163)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | カロリメトリー / 有機超伝導 / 電子熱容量係数 / 三角格子 / Mott絶縁体 / カロリーメトリー / 電荷秩序 / 電子状態密度 / 磁場中カロリーメトリー / 超伝導 |
研究概要 |
本研究は微少量有機導体単結晶をもちいた絶対値カロリメトリーを外部場を制御することによって行い、その電子状態と超伝導現象、磁性現象、電荷秩序化現象の起源について明らかにすることを目的としている。 平成17年度は、前年度に引き続き、有機導体の中でも高いT_cを与えるκ-(BEDT-TTF)_2X塩のゼロ磁場下での電子熱容量係数と、上部臨界磁場より高い磁場をかけた状態での電子熱容量係数との比較からκ-型超伝導体の超伝導相中での内部構造について総合的に議論した。ついで、超伝導相に隣接するかたちで存在するMott絶縁体相での反強磁性的なスピン状態に注目し、反強磁性温度周辺の熱容量の測定を行った。代表的なκ-(BEDT-TTF)_2Cu[N(CN)_2]Cl塩をはじめ二量体性の強い塩すべてで、特に顕著な熱異常は存在せず、この磁気転移は量子揺らぎをともなうものであることがわかった。さらに同じk型の構造をもつMott絶縁体であるκ-(BEDT-TTF)_2Cu_2(CN)_3に関する測定を行った。この物質はアニオン配列の相違から、ドナー層での二量体が二次元の三角格子を組むような構造をとるため、低温までスピン長距離秩序をつくらない。極低温の熱容量を試料依存性までふくめ厳密に評価する磁場に依存しない温度に比例する項が存在し、その係数は15-20mJK^<-2>mol^<-1>であることが判明した。この連続的な励起構造は約5K付近に非常にブロードな山をつくることがわかり、それは磁化率やNMRのT_1の異常と対応することが明らかになった。S=1/2の三角格子におけるスピン液体状態の励起構造を反映していると考えられる。
|