研究課題/領域番号 |
16038221
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京理科大学 (2005) 大阪市立大学 (2004) |
研究代表者 |
田所 誠 東京理科大学, 理学部, 助教授 (60249951)
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研究分担者 |
市村 彰男 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50047396)
土江 秀和 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 助教授 (30137187)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 超分子 / 分子性導体 / 有機アクセプター / 金属錯体 / 配位高分子 / 半導体 / d-π相互作用 / d-π伝導体 / 錯体高分子 / クリスタルエンジニアリング / 分子磁性体 |
研究概要 |
遷移金属イオンと酸化還元活性な有機分子が作る金属錯体は、金属イオンがもつ特有なd電子スピンや光機能性、あるいは電子移動反応を有機物配位子から発生したラジカルによって連結し、マクロスコピックに興味深い物性や機能性を発現できる。私たちは金属CuイオンのSOMOと同等なエネルギーレベルにLUMOがあるような新しい共役系基幹骨格をもつ有機アクセプターTANC (5,6,11,12-tetraaza naphthacene)を見出すことに成功したこのTANCはCu^+イオンと配位結合を作ることによってCu^+イオンからTANCへと大きな電荷(電子)移動相互作用を伴って、アニオンラジカルを発生することが特徴である。Cu^+イオンとTANCを配位結合させた錯体あるいは錯体高分子を合成し、電荷移動型反強磁性スピンユニット「Cu^<δ2+->TANC^<δ・>-」もつ機能性物質の開発を行うことであった。この研究成果は〜50S/cmの伝導を持つ{[Cu(TANC)]F_<0.5>}_nの構築およびその伝導メカニズムの解明、その1/10の〜5S/cmの伝導度を持つ{[Ag(TANC)]}_nの合成・結晶化など新しい分子性導体の構築にある。さらに、Cu-TANCスピンユニットを利用して、摩擦によって粉砕したあとスピン数が数百倍にも増えるような超常磁性体粒子を作る高分子錯体{[CuI(TANC)]}_n結晶の開発やCuイオンとTANCの誘導体であるMe_2TANC・Cl_2TANCを用いた電荷移動型反強磁性錯体高分子の合成を行うことにあった。これらはすべてCu-TANCスピンユニットの大きな電荷移動相互作用に特有な物性を有するものと考えている。DCNQIやTCNQのような基幹骨格と全く異なった分子のTANC骨格でもCu^+イオンと反応させることによって、電荷移動相互作用が起こりCu^<δ2+->TANC^<δ・>-のd-π反強磁性スピン対が生成するものと考えている。このスピン対を分離積層型に配列させた場合、Cuイオンと非常に強いdπ-pπ相互作用を持つ分子性導体を作ることができれば、分子性導体を作ることができる。さらに、その反強磁性スピン対を交互積層型や孤立分子としての構造に配列できれば強い反強磁性的な相互作用を持った磁性体を作ることができ、システマティックな反強磁性体の合成研究ができることになるだろう。
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