研究課題/領域番号 |
16041202
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂口 和靖 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00315053)
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研究分担者 |
今川 敏明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20142177)
嘉屋 俊二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90186023)
中馬 吉郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40372263)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2005年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | がん抑制タンパク質 / ヘテロオリゴマー / 構造安定性 / アミロイド / 変異体 / β構造 / フォールディング / 癌抑制タンパク質 / オリゴマー / 蛍光 / 変性 |
研究概要 |
がん抑制たんぱく質p53の機能発現のためには四量体形成が必須である。これら異変によるp53機能の不活性化機構の解明は、p53遺伝子のミスセンス変異による細胞がん化を理解する上で極めて重要である。 1.肺がん由来のG334のValへの変異をもつp53(319-358)ペプチド(G334V)が生理的なpH、温度条件下、2段階の過程によりアミロイド線維を形成することを見出した。また、G334Vは天然型とヘテロオリゴマーを形成しうることが明らかになった。モデリングによる解析から、Gly334のValへの置換が局所的なゆがみを生じる事でβ構造優位構造への変化を引き起こし、アミロイド形成を誘導する事が示唆された。 2.p53四量体形成ドメインに存在する3個のPhe残基の立体構造における効果を解析するために、Pheの側鎖のベンゼン環の水素原子を全てフッ素に置き換えたペンタフルオロフェニルアラニン((F5)Phe)、あるいは飽和型シクロヘキシルアラニン(Cha)に置換した。興味深いことに、Phe341Chaは、100℃を越すTm値を持つなど、熱・変性剤・有機溶媒・トリプシン消化のすべての条件において著しく高い安定性を示した。一方、Phe328およびPhe338のChaへの置換は不安定化を引き起こした。また、Phe328(F5)PheおよびPhe338(F5)Pheは天然型と同程度の安定性を示したが、Phe341(F5)Pheは非常に不安定であった。 3.天然型p53四量体形成ドメインの立体構造中にはPhe341の周囲には空隙があり、その空隙の大きさを計算した。また、その空隙と安定性の関係を調べるため、様々な圧力条件下での変性剤に対する安定性を解析した。ネイティブ状態からアンフォールディング状態に変化する際、天然型の体積変化は負の変化を示し、超安定アナローグPhe341Chaは正の変化を示した。これは水和体積による変化であると考えられ、Pheをより疎水性であるChaに置換したことに起因すると考えられた。
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