研究課題/領域番号 |
16041236
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山縣 ゆり子 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (40183678)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2005年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2004年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 低温トラップX線解析法 / 酵素反応 / 加水分解反応機構 / DNA修復 |
研究概要 |
生体内の酵素反応の中で加水分解反応は古くからその触媒機構の解明が試みられてきたが、今もって正確に理解されているとは言い難い。本研究では、低温トラップX線結晶構造解析法を駆使して、Mg^<2+>(Mn^<2+>)存在下8-oxo-dGTPを8-oxo-dGMPに分解する大腸菌MutTやそのヒトホモログhMTH1の加水分解反応機構の解明を目的とする。 1.我々は昨年度本研究の基本となるMutTと基質である8-oxo-dGTPの複合体の結晶化に取組み、良好な結晶を得ることに成功、1.8Å分解能の構造を得、MnCl_2溶液中に浸漬したところ、結晶内で反応が起こることを確認した。本年度はさらにMutT-8-oxo-dGTP複合体結晶をさまざまな条件下MnCl_2溶液中に浸漬、100KのN2ガスで瞬間凍結し、その構造解析を約50種の結晶について行った。その結果,5mMMnCl_2溶液中に3から5時間浸潰したところで,3個のMn^<2+>がMutTと8-oxo-dGTPに配位し、反応が起こる直前と思われる状態の構造を捕らえることに成功した.さらに、Mn^<2+>の異常分散効果を利用してMn^<2+>の位置を正確に決定した。その結果に基づき、加水分解反応の初期過程のモデルを提案できた。 2.ヒト由来のMutTホモログ(hMTH1)はMutTと異なり幅広い基質特異性をもち、加水分解に関わるアミノ酸残が異なることが示唆されている。我々はこの差異を明らかにするために、hMTH1と8-oxo-dGTP並びに8-oxo-dGMPとの基合体の結晶化を行い、両複合体構造を2.2Åと1.95Å分解能で解析した。hMTH1-8-oxo-dGTP複合体の結晶についてもMg^<2+>(Mn^<2+>)を浸漬し、MutT同様の方法で結晶内反応を調べた。その結果、現在の結晶では反応が起こると結晶が壊れることが分かったので、別の結晶化条件を検討している。
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