研究課題
特定領域研究
本研究は、普通の超新星の10倍以上の爆発エネルギーをもつと推定される極超新星を研究対象とし、最高エネルギー宇宙線源にどのように関係しているかを解明することを目的とした。個々の極超新星の研究から、以下のような結果が得られた。(1)極超新星の光学的性質の解析と爆発規模、爆発形態の推定:(a)観測されている極超新星の爆発モデルの輻射流体力学計算を行ない,光度曲線やスペクトルをよく再現するモデルパラメータ、すなわち、親星の質量、爆発エネルギー、元素合成量を求めた。ガンマ線バーストとの関係がはっきりしているSN2003dhについては、残光成分の差引に注意を払った。その結果、SN1998bwの爆発とほぼ同程度の規模だが、質量、爆発エネルギーとも、やや小さめという結果が得られた。一方SN2003lwは質量、爆発エネルギーとも、SN1998bwよりかなり大きいという結果が得られた。(b)SN2003jdについては、後期スペクトルの中で、酸素の輝線がダブルピークを持つことが、SUBARU望遠鏡によって観測された。この輝線の形が、非球対称なジェット状爆発と赤道方向でのfallbackによって、よく再現できることを2次元の数値計算と元素合成の計算によって示した。(2)上記爆発モデルにおける詳細な元素合成を計算し、巨大爆発によって放出される元素組成の特徴を明らかにした。極端な金属欠乏星の元素組成との比較を行い、極超新星のジェット状爆発モデルで再現できることを示した。(3)宇宙線源や、ガンマ線バースト源との関連を調べるために、輻射力学コードを特殊相対論の領域へと拡張し、上記相対論的ジェット状の爆発の計算に適用した。
すべて 2005 2004
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