研究概要 |
我々は自ら樹立した効率の良いシグナルシークエンストラップ法(Kojima and Kitamura, Nat.Biotechnol.,1999)を利用して、マスト細胞由来ライブラリーをスクリーニングしてLMIR1およびLMIR2を同定した。LMIR1およびLMIR2が存在する遺伝子座には他に4つのファミリー分子が存在することが判明した。これらのPIR(paired Ig receptor)ファミリーには、2種類の抑制型レセプターLMIR1、LMIR3および4種類の活性型レセプターLMIR2,4-6が含まれる。そのうちLMIR3とLMIR4は細胞外部位の相同性が高くペアになっている。LMIR3はマスト細胞、B細胞、マクロファージ、DC細胞およびNK細胞に発現が認められたが、LMIR4の発現が細胞表面に確認できた細胞は現在までのところない。さらにLMIR4はヒトにはカウンターパートが存在しないことが示唆された。LMIR1は細胞内部位に3つのITIMモチーフを有する抑制型レセプター、LMIR2は膜貫通部位で主にFcレセプターγと会合する活性型レセプターである。LMIR5はヒトでは細胞表面での発現が低い。LMIR5を抗体によってクロスリンクするとFcRγ以外にDAP10およびDAP12にも結合することが判明した。この結果はLMIR5はこれら3種類の活性化レセプターを介してシグナル伝達を行うことを示唆している。またLMIR4とLMIR5のmRNA発現を調べたところ、オーバーラップしているところもあるが異なる発現パターンを示した。
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