研究課題/領域番号 |
16043225
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長澤 丘司 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80281690)
|
研究期間 (年度) |
2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2004年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
|
キーワード | ケモカイン / 骨髄 / Bリンパ球 / 発生 / ホーミング |
研究概要 |
成体のBリンパ球は、骨髄で産生されるが、その発生における前駆細胞の局在と移動およびその制御機構は十分明らかでなかった。以前私たちは、最も初期のBリンパ球前駆細胞(プレプロB細胞)は、ケモカインCXCL12を必要とすることを示した。今回、Bリンパ球特異的CXCR4欠損マウスの解析より、CXCL12は、骨髄の形質細胞にも必須であることを確認した。更に、私たちは、CXCL12遺伝子座にGFP遺伝子を挿入し、生理的なCXCL12発現細胞が蛍光を発するマウス(CXCL12/GFPノックインマウス)を用いて、骨髄のCXCL12発現細胞とIL-7発現細胞を可視化したところ、CXCL12発現細胞は、ストローマ細胞の一部であり、IL-7発現細胞とは異なる細胞で、両者は一定の間隔をあけて分布していた。多能性前駆細胞の大部分は、CXCL12発現細胞の突起に結合し、プレプロB細胞は、CXCL12発現細胞の細胞体に結合していた。さらに、プレプロB細胞の次の発生段階であるIL-7を必要とするプロB細胞は、CXCL12発現細胞を離れ、IL-7発現細胞に結合しており、その次のプレB細胞はIL-7発現細胞から離れていた。骨髄で産生されたBリンパ球は、脾臓に至り、抗原刺激後、形質細胞に分化し骨髄に帰るが、形質細胞の大部分は、CXCL12発現細胞に結合していた。以上より、骨髄にいて、CXCL12発現細胞、IL-7発現細胞は、Bリンパ球の分化段階特異的なニッチ(特定の機能を担う特定の微小環境)として機能する細胞であること、リンパ球、血球の分化に伴う局在とニッチ間の移動がはじめて明らかになり、その局在と維持をCXCL12が正に制御することが示唆された。
|