研究課題/領域番号 |
16043229
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
生田 宏一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90193177)
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研究分担者 |
真木 一茂 京都大学, ウイルス研究所, 講師 (10311424)
上田 正道 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (50115797)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2004年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | サイトカインレセプター / インターロイキン7 / T細胞 / T細胞抗原受容体 / 転写 / グルココルチコイド |
研究概要 |
T細胞はその分化過程において、2つの段階でIL-7レセプター(IL-7R)の発現を一時的に低下させる。第一は胸腺で正と負の選択がおこるDP段階で、第二は末梢で抗原特異的なクローン増幅が起こる活性化T細胞の段階である。いずれもTCRの親和性のみで細胞の反応性が決まる段階であり、余計な生存・増殖シグナルを入れる可能性のあるIL-7Rを積極的にシャットオフしていると考えられる。そこで、IL-7Rの発現制御機構を解析した。 まず、脾臓T細胞を固相化抗CD3抗体で刺激すると、IL-7Rの発現は16時間後にほとんど消失したが、この時のIL-7Rα鎖mRNAのレベルも著減していた。この結果から、TCRシグナルによってIL-7Rの発現低下が誘導され、それが転写レベルで制御されることが明らかとなった。 次に、IL-7Rα鎖遺伝子のプロモーター領域を解析した。マウスとヒトの配列を比較すると、転写開始点の上流200bpが高度に保存されており、Ikaros、PU.1、Runxの結合モチーフが存在した。さらに、プロモーターの上流約3.6kbに高度に保存された270bpの領域が存在し、グルココルチコイド受容体(GR)の結合モチーフがあった。 次に、レポーター法により、プロモーター領域を未熟T細胞株KKFに導入すると、特異的な転写が検出された。PU.1モチーフとRunxモチーフを破壊すると、活性が顕著に減少した。さらに、上流領域を加えると、グルココルチコイドによる転写の増幅が見られ、GRモチーフを破壊したものでは消失した。 以上の結果から、IL-7Rα鎖遺伝子のプロモーター活性において、PU.1とRunxのモチーフが重要な働きをしているおことが明らかとなった。さらに、GRが、上流に存在するグルココルチコイド応答性領域に結合し、プロモーターからの転写を増幅することが示された。
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