研究課題
特定領域研究
IL-12はTh1分化を強く誘導するサイトカインであり、β1およびβ2鎖からなるIL-12レセプター(IL-12R)によって受容される。最近の研究からIL-12Rがマクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞(APC)にも比較的多量に発現しており、APCにおけるIL-12Rβ1の発現はIFNγ、IL-15によって誘導され、APCのIL-15反応性はIL-15によるTh1反応誘導性のメカニズムとして必須であることが知られているが、IL-12Rβ1の発現調節機構についてはその遺伝子プロモーターの構造を含めて詳細は不明であった。本研究において我々は、マウスIL-12Rβ1遺伝子を単離し、プライマー伸張法によってその転写開始部位を同定した。ルシフェラーゼレポーターを用いたプロモーター機能解析によって、マクロファージにおけるIL-12Rβ1遺伝子プロモーターのIFNγおよびIL-15刺激に対する反応性は、転写開始点5'上流-2508から-1803の領域に存在するIREおよびEts結合配列によって規定されることを示した。それぞれの配列にはIFNγおよびIL-15反応性に、IRF3、PU.1が結合した。特にIL-15はIL-12Rβ1遺伝子プロモーター領域におけるヒストンH3のアセチル化をp38MAPキナーゼ依存性に誘導し、クロマチン構造の再構築によってIL-12Rβ1遺伝子転写活性を誘導する機構を示した。このIL-15の効果はHAT活性を持つCBPの強発現による効果と類似しており、両者の関連の可能性が考えられた。以上の解析により、免疫監視機構に重要な役割を果たしているIL-12Rβ1がIFNγ、IL-15によってAPC上でダイナミックに制御されていることが明らかとなった。
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