研究課題/領域番号 |
16043259
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
鈴木 信孝 独立行政法人理化学研究所, 免疫シグナル研究グループ, 研究員 (30373319)
|
研究期間 (年度) |
2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2004年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
|
キーワード | IRAK-4 / TLR / 自然免疫系 / 獲得免疫系 / 自己免疫病 |
研究概要 |
我々は、自然免疫系はどのように獲得免疫系を誘導するかを検討するために、自然免疫系が著しく阻害されているIRAK-4欠損マウスを用いて下記の事柄を検討した。 1.樹上細胞の活性化への影響 各々のTLRのリガンドの刺激やウイルス、細菌の感染による樹状細胞の活性化の様子を野生型とIRAK-4欠損樹状細胞を用いて比較した。活性化の指標として、MHCクラスII、CD40、CD80、CD86などの表面マーカーの発現量、及びIL-12等の分泌性サイトカインレベルを測定した。その結果、IRA-4欠損樹状細胞では、TLR9リガンド刺激による表面マーカーの発現は完全に抑制され、TLR4リガンド刺激によるこれらの発現は、有意に低下していた。更に、IL-12はIRAK-4欠損樹状細胞では、どのTLRリガンド刺激においてもほぼ完全に抑えられていた。 2.活性化した樹状細胞による、recipientのnaiveTh細胞への影響成熟化した樹状細胞をガンマ線照射あるいは、グルタルアルデヒドで固定し、樹状細胞から産生されるサイトカインの影響をなくし、樹状細胞の細胞表面上の抗原提示能だけを検討した。LPS刺激ではIRAK-4欠損樹状細胞の抗原提示能によるnaiveTh細胞の増殖誘導能は、野生型樹状細胞のそれと変わらなかった。ところが、naiveTh細胞のTh1細胞へ分化の程度の指標となるは、IFN-γ産生量及びCD69の発現量はIRAK-4欠損樹状細胞による誘導では野生型に比べ著しく低下していた。つまり、IRAK-4は、抗原提示細胞である樹状細胞の適切な成熟化及びそれに引き続いて起こるTh細胞の分化に必要であることが示唆された。この結果より、IRAK-4分子の樹状細胞を介した獲得免疫系への関与が明らかとなった。 そのため、自然免疫制御因子IRAK-4が自己免疫病に強く関与していることが示唆された。
|