研究課題
特定領域研究
記憶B細胞の形成・維持と最終分かに関わる分子機構を明らかにする目的で記憶B細胞に発現増増強する遺伝子をサップレッションサブトラクテイブハイブリダイゼーション法、シグナルシーケンストラップ法、およびマイクロアレイ法を用いて同定した。種々のスクリーニングを得て記憶B細胞生存に関わる事が予想されたE52,最終分化に関わる事が予想された4010についてその機能を明らかにする目的で解析を行った。その結果、1.4010遺伝子について正常脾臓B細胞へレトロウイルスベクターを用いて高レベルで発現させたところ、IgM/CD40刺激に対応したIgG抗体産生能を著しく増殖させる事が明らかとなった。さらに4010遺伝子の生体内での記憶B細胞二次反応に関する機能を明らかにする目的で、4010遺伝子をB細胞で欠損するマウスの作製を行った。2.記憶B細胞で発現増強し、B細胞株での高発現により細胞生存の延長を賦与するE52遺伝子はヒトの脊髄筋萎縮症(SMA)の原因遺伝子であるsurvival of motor neuron gene(SMN)1である事が明らかなった。SMAでは重篤な感染症が併発する事からこの遺伝子がB細胞、特に記憶B細胞の維持に関する可能性を考え、その作用機序を生化学的方法で検討した。この結果、SMNはミトコンドリア内アポトーシス増殖因子apoptosis-inducing facto(AIF)と結合し、抗酸化ストレス作用を賦与し細胞生存の延長を付与する可能性を明らかにした。さらに、B細胞で発現増強する一群の遺伝子を選択し、この系列に特有の遺伝子マーカーとして使用し、免疫後経時的に産生される抗原特異的B細胞亜群を同定し各細胞で発現する遺伝子パターンを解析した。この結果、記憶B細胞への系列決定が少なくとも免疫後5-6日に定められ、この後この細胞集団に恐らく何らかの選択を介して機能的な発達が増強されることが明らかにされた。また、記憶B細胞はAIDを発現すること、さらに抗体遺伝子に蓄積する体細胞変異の経時的な解析からこの細胞自身が体細胞変異を蓄積する可能性が示唆された。
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