研究課題/領域番号 |
16044239
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 厚 横浜市立大学, 大学院医学研究科, 準教授 (00264606)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 上皮細胞 / PKC / 細胞極性 / PAR / 小胞輸送 / dystroglycan / Utrophin / ラミニン |
研究概要 |
昨年度の成果に基づき、今年度は主として以下の二点について研究を進めた。 1)aPKC-PARシステムに属する上皮細胞のバソラテラル面に局在するセリン・スレオニンキナーゼ、PAR-1bがutrophin/dystroglycan(以下、Utr/DG)複合体と結合していることを発見した。このUtr/DG複合体は、上皮細胞において細胞外の基底膜主成分ラミニンと細胞内アクチン骨格系を結びつける働きをしている。今回、PAR-1bがこのUtr/DG複合体のバソラテラル面への局在に必須な役割をしていること、およびそのことを介して、細胞外ラミニンのオーガナイズに働いていることを明らかとした。昨年度、PAR-1bは上皮細胞のアピカル膜ドメインの発達に必須であることを示したが、この活性がPAR-1bによるUtr/DGを介した細胞外ラミニンの制御に起因することも確認した。これらの結果は、ともに上皮極性、および上皮細胞内の選択的輸送に重要な寄与をしている、細胞内極性タンパク質と細胞外基質タンパク質の機能的連関を始めて示した結果である。PAR-1bがいかにしてUtr/DGの局在を制御するのかは現在解析中であるが、膜タンパク質であるDGをPAR-1bがリン酸化し小胞輸送を介したDGの取り込みをPAR-1bが制御している可能性が示唆されつつある。 2)aPKC-PARシステムと相互作用することで上皮極性を制御しているLglについても研究を進めた。安定的発現抑制MDCK細胞株の解析から、このタンパク質がaPKC/PAR-3/PAR-6複合体を抑制的に制御し、そのことを介して、脱極性化過程におけるアピカルタンパク質、および細胞接着タンパク質の取り込みを促進していることを発見した。現在、こうした現象の分子レベルでの解析を進めているところである。
|