研究課題/領域番号 |
16047203
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
橋本 謙二 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 教授 (10189483)
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研究分担者 |
清水 栄司 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00292699)
幡野 雅彦 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教授 (20208523)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | グリア細胞 / NMDA受容体 / D型セリン / ニューロン / グリシン / グルタミン酸 / 死後脳 / グリア / 統合失調症 / グルタミン / セリンラセマーゼ |
研究概要 |
グルタミン酸神経伝達の異常は、統合失調症などの精神疾患の病態に関与していることが示唆されている。一方、死後脳を用いた研究は、統合失調症、双極性障害、うつ病などの精神疾患の病態研究に不可欠であるが、脳内のアミノ酸濃度は、死亡から脳摘出して凍結するまでの時間(PMI : postmortem interval)などによって大きく影響することが報告されている。今年度、マウス脳を用いて脳内アミノ酸濃度とPMIとの関係を調べた。次に、マウスで求めた補正式を米国スタンレイ財団より提供された死後脳(コントロール、統合失調症、双極性障害、うつ病各15例)に当てはめ、各サンプルの死亡時期におけるアミノ酸(グルタミン酸、グルタミン、グリシン、D型セリン、L型セリン)濃度を測定した。 マウス脳を用いた実験より、L型セリンおよびグリシン濃度は、PMIが長くなるにつれて増加したが、D型セリンおよびグルタミン酸濃度は、PMIが長くなるにしたがって減少した。一方、グルタミン濃度はPMIによって変化しなかった。次に、マウス脳で算出したアミノ酸濃度とPMIとの関係(数式)を死後脳におけるアミノ酸濃度に当てはめて死亡時期におけるアミノ酸濃度を算出した。各アミノ酸濃度を4群で比較するとグルタミン酸濃度で有意に変化しており、双極性障害およびうつ病において有意に増加していた。D型セリン、L型セリン、グリシン、グルタミン濃度は、4群で有意な差は認められなかった。 今回の結果より、グルタミン酸濃度の増加に伴うグルタミン酸神経伝達の異常が、双極性障害およびうつ病などの気分障害の病態に関与している可能性が示唆された。
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