研究課題/領域番号 |
16047213
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
|
研究分担者 |
井上 浩一 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80345818)
窪田 寿彦 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80377746)
山田 順子 静岡大学, 大学院・電子科学研究科, 助手 (30334965)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | クロライドイオン / クロライドトランスポーター / インターニューロン / イメージング / GABA / 海馬 / てんかん / アストロサイト / クロラドトランスポーター |
研究概要 |
1.脳スライスのアストロサイトからの[Cl^-]_i測定とグリアによる神経回路機能調節の証明[窪田・福田]:まずアストロサイト親和性色素のsulforhodamine 101を用いて、海馬スライス中のastrocytesを同定した。次にパッチ電極内液にCl^-感受性蛍光色素のMEQを加えておき、同定した多数のastrocytesにsingle-cell electroporation法で次々とMEQを注入し、同時に5-6個のastrocytesでのCl^-イメージングを可能にした。シェーファー側枝をテタヌス刺激した時のastrocytesの[Cl^-]_i変化をこれら複数個のastrocytesで同時に観察した(astrocyte回路網のCl^-イメージング)。シェーファー側枝の高頻度刺激で記録したすべてのastrocyteでMEQ蛍光が低下、すなわち[Cl^-]_i上昇が見られた。これらの[Cl^-]_i上昇は刺激の頻度や強度に応じて変化した。しかしこの変化は、以前我々が報告した錐体細胞でのGABA作用を抑制性から興奮性に逆転させるCl^-蓄積(J.Neurophysiol. 2003)とは時間経過が異なり、静止電位におけるastrocyteのCl^-の電気化学勾配もニューロンと逆向きとの報告もあるので、このastrocyteでの[Cl^-]_i上昇はニューロンとは全く別のメカニズムであると考えられた。以上からastrocyte回路網による能動的なCl^- buffering機構が存在すると結論した。 2.神経障害モデルを用いたアストロサイトの[Cl^-]_i調節による神経回路機能調節の検討[福田・窪田・井上]:神経障害モデル(皮質凍結損傷)の傷害部位ではastrocyteが増殖していた。GFAP、NSEとNKCC1,KCC2との二重免疫染色とin situ hybridizationを行った結果、ニューロンではNKCC1,KCC2とも発現していたのにたいし、astrocyteではNKCC1のみが発現しており、astrocyte回路網によるCl^- buffering機構存在の仮説と矛盾しない結果であった。
|