研究課題/領域番号 |
16047214
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鍋島 俊隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (70076751)
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研究分担者 |
野田 幸裕 名城大学, 薬学部, 教授 (90397464)
新田 淳美 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教授 (20275093)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | フェンシクリジン(PCP) / グリア細胞 / GLAST / NMDA受容体 / 細胞内情報伝達系 / 精神行動障害 / CaMK II / フェンシクリジン / アストロサイト(GFAP) / 認知機能 / マウス |
研究概要 |
非競合的N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬のフェンシクリジン(PCP)は、ヒトに統合失調症と類似した情動・認知障害を惹起させ、本研究においてPCP(10mg/kg/day)を14日間連続投与したマウスにおいても強制水泳における無動状態の増強(情動性障害)や水探索試験における潜在学習の障害(認知障害)が認められた。これらの精神行動障害とグルタミン酸作動性神経機能およびグリア細胞の関与について調べたところ、PCPの投与回数に依存して前頭前皮質のグリア細胞の活性化、グリア型グルタミン酸トランスポーターのGLASTの発現量の増加、神経細胞の萎縮が認められた。また、グルタミン酸作動性神経系の前シナプス機能(グルタミン酸の遊離機能低下)およびNMDA受容体を介する細胞内情報伝達[Ca^<2+>/calmodulin kinase II(CaMKII)の活性化]が低下していた。PCP連続投与マウスの前頭前皮質にグルタミン酸トランスポーター阻害剤のDL-TBOAやグリシンを注入すると、情動・認知障害や前頭前皮質のCaMKIIの活性の低下が緩解した。以上の結果からPCP連続投与によりグリア細胞の活性化や神経細胞の萎縮が惹起され、前シナプス機能やNMDA-CaMKIIシグナル伝達系の機能が阻害され、情動・認知障害が惹起されるものと示唆される。一方、胎生期の胎児の大脳皮質に子宮内電気穿孔法により統合失調症関連遺伝子の発現を抑制したマウスを作成し行動解析を行った結果、皮質におけるドパミン作動性神経系機能障害に伴う認知障害が認められた。
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