研究課題/領域番号 |
16047232
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2005) 国立精神・神経センター (2004) |
研究代表者 |
榎戸 靖 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (90263326)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | ホモシステイン / うつ病 / てんかん / 神経幹細胞 / アストロサイト / 神経細胞 / 発生 / 細胞死 / ニューロン / 疾患 |
研究概要 |
(1)CBSは、成熟マウス脳において小脳、海馬、嗅球といった記憶・学習に深く関わる領域で高い発現が見られることが分かった。また、発達過程における発現変動を調べた結果、それぞれの領域において、生後2〜3週間でピークに達し、成熟脳では発現が低下する様子が観察された。(2)CBS発現細胞について詳細な解析を行ったところ、発生期では神経幹細胞として知られる神経上皮細胞ならびにラジアルグリア、成熟脳においてはアストロサイト、側脳室前端部の脳室下帯(aSVZ)および海馬歯状回に存在する神経幹細胞で特異的な発現が見られることが分かった。(3)カイニン産投与によるてんかん発作後の海馬においてCBSは活性化アストロサイト特異的に発現上昇していた。このことは、神経病態時のアストロサイトの働きにCBSが重要な役割を演じていることを示唆している。(4)培養アストロサイトを用いた実験により、CBS蛋白質はErbB1受容体リガンドであるEGF、TGF-αおよびcAMPに依存した細胞内カスケードによって発現上昇する。一方、カイニン酸やグルタミン酸では変化しないことがわかった。このことは、CBS蛋白質がアストロサイトを取りまくニューロンもしくはグリア細胞から分泌される栄養因子によって発現制御されていることを示唆している。(5)CBS^<-/->マウスの脳内においてグルタチオン量の低下およびJNKカスケードの活性化が観察された。このことからCBSの異常がニューロンへの酸化ストレスによる細胞傷害を引き起こしていることが考えられた。(6)CBS^<-/->マウスから得たアストロサイトを用い、酸化ストレスへの抵抗性を調べた結果、ホモシステインや過酸化水素に対する抵抗性は野生型マウスのそれと比べ差は見られなかった。(7)CBS^<-/->マウスでは小脳や嗅球の形態異常ならびに神経芽細胞の増殖低下が観察された。(8)CBS^<-/->マウスのaSVZ-RMS間の神経芽細胞数の減少が見られた。
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