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インテグリンレセプターにおける細胞膜をはさんだ双方向性シグナル伝達機構

研究課題

研究課題/領域番号 16048215
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関大阪大学

研究代表者

高木 淳一  大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (90212000)

研究期間 (年度) 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
キーワード膜貫通ヘリックス / インテグリン / シグナル伝達 / システインスキャンニング / 血小板 / 血栓症 / 細胞接着 / 細胞膜
研究概要

我々はこれまで数年間の研究でインテグリンの細胞外ドメインの構造が活性化やリガンド結合によって大きく変化することを明らかにした。細胞外ドメインのおおまかな構造はX線結晶解析から、短い細胞内ドメインペプチドの構造はNMRでそれぞれ解かれているが、シグナルの"関所"とも言える両サブユニットの膜貫通ドメインについては、そもそも膜内で安定な2量体を形成しているのかさえ実験的には確かめられていなかった。そこで膜貫通部位の残基に一つ一つしらみつぶしにシステイン変異を導入して細胞にトランスフェクトし、サブユニット間のジスルフィド結合形成を見ることによって位置情報を得る、という「システインスキャンニング」を行った。膜貫通ドメインに埋もれている残基はたとえ近くにあってもジスルフィドを形成できないが、酸化剤で処理することによってこれを誘導することができる。このような実験を、血小板のインテグリンであるα_<llb>β_3の各サブユニットの膜貫通部位付近の多数の残基のペアにたいして行い、以下の情報が得られた。
(1)α_<llb>サブユニットではTrp^<698>が、β_3サブユニットではVal^<695>が、それぞれ細胞外ドメイン-膜内部位の境界であること。
(2)両サブユニットの膜貫通ヘリクスは、低親和性状態では特異的な配向をもって会合しており、特にα_<llb>サブユニットのTrp^<698>,Val^<969>,Gly^<972>、β_3サブユニットではVal^<696>,Leu^<697>,Val^<700>がそのインターフェースに来ること。
(3)活性化されたインテグリンでは上記のインターフェースが壊れ、膜貫通部分においてサブユニットの解離が起こること。
本研究によって、インテグリンの膜貫通ヘリクス部分の解離が細胞外にまで伝播して細胞外領域の構造変化を引き起こし、活性を制御するという、「中から外へのシグナル伝達」のメカニズムが明らかとなった。

報告書

(1件)
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Intersubunit signal transmission in integrins by a receptor-like interaction with a pull spring.2004

    • 著者名/発表者名
      Yang, Wei
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA 101

      ページ: 2906-2911

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Structural basis for allostery in integrins and binding to fibrinogen-mimetic therapeutics.2004

    • 著者名/発表者名
      Xiao, Tsan
    • 雑誌名

      Nature 432

      ページ: 59-67

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Structural basis for ligand recognition by RGD (Arg-Gly-Asp)-dependent integrins.2004

    • 著者名/発表者名
      Takagi, Junichi
    • 雑誌名

      Biochem Soc Trans 32

      ページ: 403-406

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Locking the beta3 integrin I-like domain into high and low affinity conformations with disulfides.2004

    • 著者名/発表者名
      Luo, Bing-hao
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 10215-10221

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] Allosteric beta1 integrin antibodies that stabilize the low affinity state by preventing the swing-out of the hybrid domain.2004

    • 著者名/発表者名
      Luo, Bing-hao
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 27466-27471

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] A specific interface between integrin transmembrane helices and affinity for ligand.2004

    • 著者名/発表者名
      Luo, Bing-hao
    • 雑誌名

      PLoS Biology 2

      ページ: 776-786

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2018-03-28  

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