研究課題/領域番号 |
16048219
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
伊東 広 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10183005)
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研究期間 (年度) |
2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | シグナル伝達 / 脂質ラフト / フロティリン / Gタンパク質 / アダプタータンパク質 / Nck1 |
研究概要 |
コレステロール、スフィンゴ脂質、GPI結合タンパク質、脂質修飾された膜タンパク質などの集積により形成される細胞膜のマイクロドメインは総称して脂質ラフト(lipid raft)と呼ばれる。ラフトには受容体、Srcファミリーチロシンキナーゼ、Gタンパク質などのシグナル伝達分子が集まり、細胞外のシグナルを迅速に効率良く伝達する場として重要な役割を果たすことが示唆されている。しかし、ラフトでのシグナル伝達機構はほとんど明らかになっていない。フロティリン(flotillin)はラフトに局在するタンパク質として見出された分子である。私共は、酵母Two-hybrid法を用いてGタンパク質αサブユニット(Gα)の一つであるGαqがフロティリン1と相互作用することを見出した。まず哺乳動物細胞のラフト画分にGαqとフロティリン1が共在すること、細胞での過剰発現系および組換え体タンパク質を用いたin vitro系で両者が相互作用することを確認した。次に、種々のGαとの相互作用を検討したところ、Gαi、Gα12、Gα13との相互作用は観察されずGαsとの弱い相互作用のみ認められたことから、フロティリン1とGαとの相互作用はGαqに特異的であることが明らかとなった。さらにフロティリン1のN末側の192アミノ酸からなるSPFHドメインとGαqのN末のαヘリックス含有領域が相互作用に必要であることを明らかにした。フロティリン1のsiRNAを調製し、Gqを介して引き起こされる細胞応答、例えば細胞内カルシウム応答、チロシンリン酸化、MAPキナーゼ活性化などへのフロティリン1ノックダウンの効果を検討中である。また、アダプタータンパク質Nck1が膜においてGqおよびSrcの下流で働き細胞遊走の調節に関係することを初めて明らかにした。
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