研究課題/領域番号 |
16072206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40175659)
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研究分担者 |
浅井 美博 産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, グループ長 (20192461)
中村 恒夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (30345095)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
26,200千円 (直接経費: 26,200千円)
2006年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2005年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2004年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 光誘起表面超高速過程 / 量子ダイナミクス / 表面吸着分子 / 分子コンダクタンス / 非平衡グリーン関数法 / 分子エレクトロニクス / 量子化学計算 / 光誘起脱離反応確率 / 密度汎関数法 |
研究概要 |
光誘起表面超高速過程の量子ダイナミクス:金属および半導体表面で光励起された電子の吸着分子への電子移動は非局所的状態から吸着分子への局在化過程であるため、量子力学的開放系を取り扱わなければならない。そこで密度汎関数法(DFT)を基礎とした時間非依存のNEGF法による電子移動と反応確率のフォトンエネルギー依存性を第一原理的に求める手法を開発した。(1)金属については一電子近似が良い近似である、(2)金属部分の光応答によるキャリア生成とトンネル過程は分離できると仮定し、光脱離の反応確率を定式化した。具体的にAg(110)表面からの酸素分子の光誘起脱離過程について応用し、反応確率がフォトンに依存性するという実験結果を再現することに成功した。単量体での同様な計算との比較から光活性種は二量体であることが確認された。 表面超高速過程としての表面吸着分子のコンダクタンス:単一分子電気伝導の詳細な電子輸送・移動機構についての知見を得るためには、単純なモデル計算ではなく、表面の寄与を正しく含んだ現実的なコンタクト領域に対する電子輸送過程での第一原理計算が必要である。そこでNEGF法とハートレー・フォック法との組み合わせによる非経験的かつセルフ・コンシステントな方法論を開発した。また密度汎関数法と組み合わせ、(1)埋め込みポテンシャルの導入による散乱領域のサイズダウン、(2)分子軌道を基底としたグリーン関数の摂動展開によるSCF計算、(3)分子軌道基底の、不活性軌道、活性軌道、空軌道への分割、等によりグリーン関数行列の大幅なサイズダウンとSCF計算の高速化を実現し、大規模な分子系への応用を可能とした。
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