研究課題
特定領域研究
本プロジェクトは、メゾスケールにおける高分子の凝集構造を光反応で発現・制御した一連の研究である。化学反応のみでは、オングストローム(□)の構造までしか制御できないが、化学反応を臨界現象と結合(カップリング)させると、化学反応の効果は長距離に変わり、高分子のメゾスケールにおける凝集構造を発現・制御できる。本特定領域研究助成により、以下に述べる研究成果が得られた。1) 新しい計測法の開発 : バルク状の高分子における反応誘起弾性ひずみを光照射下でin situ観測するためにMach-Zehnder干渉計を設計して、この弾性ひずみの緩和過程を観測・解析した。2) コンピュータ支援光照射(CAI)法の開発 : コンピュータを用い、2次元光パターンをデザインして、デジタルプロジェクターを通して、顕微鏡下に設定された試料を照射して、非一様な条件下で引き起こした高分子混合系の相分離をin situ観察・計測を行った。3) 高分子の階層構造の設計・制御 : 光照射で二成分高分子混合系の相分離を引き起こすことは、混合系をその相図上において光で移動させることに対応する。光反応のこの利点を利用して、光照射過程にON/OFFを導入して「相分離構造の中の相分離」を引き起こすことができ、数十ミクロンと数ミクロンの相分離の構造を同一の混合系に実現することができた。また、その形成動力学についても明らかにした。その形成過程の道4) 周期分布を有する高分子材料の設計 : 相分離によってできた構造の周期は過冷却度に依存することに注目して、上記したコンピュータ支援光照射(CAI)法により、固体高分子に様々な凝集構造や傾斜構造をもたらし、その構造・物性の相関関係を明らかにした。
すべて 2007 2006 2005 2004 その他
すべて 雑誌論文 (25件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (14件) 図書 (5件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
Macromolecules 40
ページ: 389-394
高分子論文集 (印刷中)
Macromol. Symposia. 242
ページ: 157-164
Macromolecules 39
ページ: 9456-9466
Macromolecular Rapid Communication 27
ページ: 758-762
Macromol. Symposia 242
Soft Matter 2
ページ: 149-156
Macromolecular Symposia 242
Macromolecules 39・26
Macromolecular Rapid Communications 27(印刷中)
J.Polym.Sci.Polym.Phys.Ed. 43
ページ: 2898-2913
高分子論文集 62・10
ページ: 519-522
Nature Materials 3
ページ: 448-451
Macromolecules 37
ページ: 8495-8498
ページ: 2944-2953
Macromolecules 36
Journal of Chemistry (VietNam) 42
ページ: 379-383
K. Inoue, S. Komatsu, X. -A. Trinh, T. Norisuye, ^*Q. Tran-Cong-Miyata "Local Deformation in Photo-Crosslinked Polymer Blends Monitored by Mach-Zehnder Interferometry"
http://www.cis.kit.ac.jp/~matnon/IJS-PMS_1st/index.html