| 研究課題/領域番号 |
16072214
|
|---|
| 研究種目 |
特定領域研究
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 審査区分 |
理工系
|
|---|
| 研究機関 | 九州大学 |
|---|
研究代表者 |
入江 正浩 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30001986)
|
|---|
| 研究分担者 |
松田 建児 (松田 健児) , 助教授 (80262145)
深港 豪 , 助手 (80380583)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
| 研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
| 配分額 *注記 |
134,600千円 (直接経費: 134,600千円)
2006年度: 41,200千円 (直接経費: 41,200千円)
2005年度: 40,300千円 (直接経費: 40,300千円)
2004年度: 53,100千円 (直接経費: 53,100千円)
|
|---|
| キーワード | 分子結晶 / フォトクロミズム / X線構造解析 / 結晶構造 / 結晶形態変化 |
|---|
| 研究概要 |
安定に光可逆フォトクロミック反応する極微構造の規制されたジアリールエテン単結晶を作製し、励起エネルギー移動等の光反応機構の解明および分子構造変化と結晶形態変化との相関を原子間力顕微鏡により直接観測し明らかにすることを目的とした。その結果、次の成果を得た。
(1) ペルフルオロフェニル基をもつビスチエニルエテン(1a)、フェニル基をもつビスチエニルエテン(2a)およびナフチル基をもつビスチエニルエテン(3a)を合成し、1a/2aあるいは1a/3aからなる単結晶を作製したところ、前者は分子積層構造、後者はモザイク構造の単結晶を与えた。X線構造解析により反応を追跡すると、フッ素基をもたないジアリールエテンのみが反応していることが明らかとなり、近距離の励起エネルギー移動は効率良く起こっていることが示唆された。
(2) 3色に発色する3種のジアリールエテン(ビスチオフェン誘導体、ビスチアゾール誘導体およびビスオキサゾール誘導体)をほぼ同程度含む単結晶を作製し、照射光の波長を制御することにより、その単結晶を、黄色、赤色、青色の3色に発色させることに成功した。この結果は、長距離の励起エネルギー移動は起きていないことを示している。
(3) 1,2-bis(2-methyl-5-tolyl-3-thienyl)perfluorocyclopentene単結晶について、光誘起表面形態変化を原子間力顕微鏡を用いて観測した。マイクロメートル領域での観測では、紫外光照射により1.3nmの穴が多数生成し、可視光により消滅することが認められた。この穴形成の機構を明らかにすることをめざして、分子像観測を試みた。その結果、結晶表面に存在するメチル基が、紫外光/可視光照射により可逆的に下降/上昇していることが認められた。結晶表面での光反応による分子の動きが、直接に結晶形態変化を引き起こしていることを明確に示すことができた。
|
