配分額 *注記 |
24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
2006年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2005年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
2004年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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研究概要 |
本研究では,結晶反応場の特異性を利用して,不飽和化合物のトポケミカル重合や高分子結晶を用いる有機インターカレーションなど,低分子ならびに高分子有機結晶の固相反応について研究を行った。まず,ムコン酸エステルの固相重合反応中の結晶構造の変化を連続的に追跡し,結晶格子の伸縮挙動や歪みをX線回折や分光分析により定量化し,均一系ならびに不均一系重合反応モデルを提案した。反応初期に結晶が一時的に膨張することを直接観察し,反応の誘導期や結晶構造変化に及ぼす歪みの影響を明らかにした。また,重合反応だけでなく,EZ光異性化反応や[2+2]光二量化反応における構造変化と反応解析を行い,反応過程における単結晶の構造変化の直接観察から反応機構の詳細を明らかにした。さらに,立体規則性ポリマーを用いるインターカレーションについて研究を行い,ムコン酸誘導体モノマーの分子配列制御により,4種類存在する立体規則性ポリマーすべてを合成し,立体規則性がポリマーの結晶化に及ぼす影響を明らかにすると同時に,これら立体規則性ポリマーへのインターカレーションにおけるゲスト分子の配向制御の機構を明らかにした。また,インターカレーションによる有機高分子結晶/銀微粒子ナノコンポジットの作製ならびに新たに開発したダブルインターカレーション法による蛍光分子の層状高分子結晶内への取り込みと結晶固体中での特異的な発光挙動の確認に成功した。さらに,これらジエンモノマーの固相重合の研究で得た成果をポリジアセチレンの光機能発現に発展させ,有機溶媒に可溶なポリジアセチレンを合成設計し,固体,溶液,ポリマーマトリクス中で外部環境に応じてサーモクロミズムを示す新規なポリジアセチレンを見出し,分散溶液中でもポリマー分子の凝集と結晶化が構造ならびに物性発現に重要な役割を果たすことを見出した。
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