配分額 *注記 |
43,300千円 (直接経費: 43,300千円)
2007年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 34,800千円 (直接経費: 34,800千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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研究概要 |
金属錯体は配位結合などの強い結合や分子間の電荷移動相互作用・双極子相互作用・ファンデルワールスカ・水素結合などの弱い相互作用により配位空間を創る。本研究では、多彩な電子状態をとり得る金属イオンの特長に着目し,多様な磁気的・電気化学的性質を示す外場応答性配位空間を構築した。 (1)シアン化物イオン架橋鉄(II, III)8核錯体の電気化学特性 シアン化物イオン架橋多核錯体合成法を確立し,プルシアンブルーの最小構成単位であるシアン化物イオン架橋鉄八核コア([FeII4FeIII4])構造をもつ錯体([FeIII4FeII4(CN)12(tp)12] (1) tp-=tris(pyrazolylborohydride)を合成した.錯体1は、4個のFe(II)イオンと4個のFe(III)イオンを12個のシアン化物イオンが架橋することでキューブ状コア構造を形成し、可逆な四段階一電子酸化還元過程を示すクラスII混合原子価錯体である。さらに,錯体1を正極活物質とするリチウムイオン二次電池を作製し,金属多核錯体の充放電特性について検討した結果,本錯体が活物質として有効であることを明らかにした (2)シアン化物イオン架橋鉄(III)-コバルト(II)4核錯体における電子移動 シアン化物イオン架橋鉄4核コア構造をもつ錯体([FeIII2CoII2(CN)12(tp*)12(bpy*)] (PF6)2(2) (tp*=tris(2,4-di-methyl-pyrazolylborohydride, bpy*=3,3'-di-t-butyl-bipyridine)を合成した。この錯体は準可逆な四段階一電子酸化還元過程を示す混合原子価錯体であり,FeとCoイオン間の電子移動とそれに伴うCoイオンのスピン転位が2段階で起ることを示した。
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