配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2007年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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研究概要 |
ヒドロゲナーゼはNiとFeを活性部位に持つ金属酵素であり,水素の酸化・還元を触媒する機能を持つ.本酵素の工業的利用の可能性を探る研究は新規燃料電池の開発や石油に変わるクリーンエネルギー生成の道を拓くことにつながる.活性部位のNiとFe以外にアミノ酸以外の分子が配位した複核金属錯体を形成している.これまでにX線結晶解析の手法で「酸化型」「水素還元型」,「CO阻害型」,「光活性型」などの高分解能結晶構造を明らかにしてきた.本研究では,酸化型についてさらに詳細に構造化学的研究を展開し,不活性で安定な型「Ni-A型」と活性準備型であるが不安定な型「Ni-B型」をつくりわけ,さらに両者を結晶化して構造解析することに成功した.これにより酵素自身が活性化される過程において起こす配位構造の変化を捕らえることに成功した.また,基質・水素の挙動を直接捕らえるためには中性子結晶解析を行う必要がある.そのために重水中でのヒドロゲナーゼの結晶化条件をスクリーニングし, 1.0mm^3以上の体積を持つ結晶の調製に成功した.今後は,タンパク質の全水素原子の重水素化を目指したタンパク質の調製法の検討に入る予定である.また、活性部位の配位子構造を構築するための酵素群のうち、HypEタンパク質やCO誘導型ヒドロゲナーゼの遺伝子を活性化する転写因子・CooAタンパク質の結晶構造解析に成功し,それらの結果などを構造生物学の専門誌に公表した.
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