研究課題/領域番号 |
16074220
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2006-2007) (財)高輝度光科学研究センター (2004-2005) |
研究代表者 |
高田 昌樹 独立行政法人 理化学研究所, 高田構造科学研究室, 主任研究員 (60197100)
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研究分担者 |
久保田 佳基 大阪府立大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (50254371)
加藤 健一 高田構造科学研究室, 研究員 (90344390)
大石 泰生 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主幹研究員 (20344400)
田中 宏志 島根大学, 総合理工学部, 准教授 (10284019)
安達 隆文 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門I・極限構造チーム, 研究員 (80372142)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
2007年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2006年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2005年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 多孔性金属錯体 / ガス吸着 / 放射光粉末回折法 / 精密電子密度解析 / マキシマム・エントロピー法 / 多孔性配位高分子 / 放射光粉末加折法 / 静電ポテンシャル / MEM / 放射光 / 電子密度 / 集積型金属錯体 / 吸着 / 配位高分子 / 粉末X線回折 / 電子密度解析 / マキシマムエントロピー法 / 精密構造解析 / 水素 / 気体吸着 |
研究概要 |
多孔性金属錯体は、その規則配列したナノ細孔内に分子を導入、整列させることにより、これまでにない特異な凝集状態の実現や、そこから生まれる機能を利用した新材料開発への展開が期待されている。この様な研究の中で、ゲスト分子導入機構の解明は大変重要であり、そのためにホストの骨格構造とともにゲスト分子の精緻な構造情報は必要不可欠である。更に、原子配列のみならず、物性を担う電子分布の情報は、これらの物質をベースにした新機能材料の開発を推進していくためのボトムアップ化学にとって極めて重要である。本研究では、SPring-8の高輝度放射光とMEM(マキシマム・エントロピー法)/Rietveld法を利用し、CPL-1と呼ばれる多孔性金属錯体を中心として種々のガス分子の吸着構造を明らかにした。 水素吸着では、水素分子が細孔壁との弱い相互作用によって吸着され、出し入れが容易な状態にあることがわかった。そして、金属-酸素ユニットが水素分子を誘引する効果を持つこと、細孔壁の形状や大きさが水素分子とフィットすることが重要であることが示唆された。 アセチレン吸着では、分子が細孔壁の酸素と水素結合を形成しながら、両端から捉えられている様子が電子密度分布にクリアに視覚化された。この結合により、アセチレン分子は特異な選択的吸着能を示し、安定かつ超高密度な濃縮が実現されていると考えられる。更に、アセチレンの吸着では、世界に先駆けて吸着過程の中間状態の構造解明に成功した。 また、実験的電子密度分布に基づく静電ポテンシャル可視化法を開発し、その手法がゲストーホスト間の静電的相互作用の理解において有用であることを示した。 本研究により得られた、細孔内でのガス分子の配列や結合状態などの精緻な構造情報は、より優れた特性を持つ新規機能性多孔性金属錯体の設計指針を与え、ボトムアップナノ機能空間の創成に貢献できるものと考えられる。
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