配分額 *注記 |
30,900千円 (直接経費: 30,900千円)
2007年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2006年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2005年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2004年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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研究概要 |
1)希土類元素と微生物との関わりについて特にメチロトローフを用いて検討した。その結果,通性メチロトローフであるMethylobacterium属細菌の希土類元素に対する増殖応答は菌株により異なっていることが明らかになった。さらに,ユウロピウム存在下でコロニー径が大きくなったMethylobacterium sp.EU-1がメタノール及びSmを培地に添加すると生菌数が約10倍増加することを認めた。本菌株のメタノール脱水素酵素を高度に精製,N-末端アミノ酸配列を決定し本酵素の相同性検索を行ったところ,メタノール脱水素酵素の大サブユニットと高い相同性を示したこと及びピロロキノリンキノン(PQQ)-依存性デヒドロゲナーゼファミリーの一員であることが分かった。また,分光光学的解析から補因子としてPQQを有していることが明らかとなった。 2)哺乳動物であるマウスにサマリウム酸化物を吸入暴露させた。酸化サマリウム粒子を1m^3あたり15mgで1日7時間吸入させたとき,肺のサマリウム濃度は暴露時間に応じて増加した。1週間暴露または4週間暴露終了の翌日,4週間後,1年後を比較すると肺の濃度は経時的に減少し,粒子は肺に取り込まれ,時間経過とともに一部は肺から消失すること,暴露時間及び暴露量により,肺からの排泄割合は異なることが分かった。下肢頚骨にはサマリウムが分布し,その濃度は暴露期間に依存すること,暴露終了翌日より4週間後の方が濃度が増加すること,1年後には暴露終了翌日とほぼ同程度まで減少し,長期にわたりサマリウムが蓄積することが確認された。サマリウム粒子の吸入実験から暴露総量だけでなく,暴露濃度と期間により生体影響が異なることが示唆された。
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