研究課題/領域番号 |
16080215
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松本 泰道 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80114172)
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研究分担者 |
鯉沼 陸央 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (70284742)
伊田 進太郎 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (70404324)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
25,300千円 (直接経費: 25,300千円)
2007年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2006年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2005年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2004年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 発光 / ナノシート / 希土類 / 光電気化学 / エネルギー移動 / 酸化チタン / 酸化ニオブ / 層状酸化物 / 自己組織 / ユーロピウム / ユーロビウム / テルピウム / チタン酸化物 |
研究概要 |
本年度の研究成果としては以下のように2件が挙げられる。 1.Ti-Oナノシートの層間にEuイオンを挟んだLBL膜(赤色発光)とNb-O層間にTbイオンを挟んだLBL膜(緑色発光)の両者についてこれらをダイヤモンド電極表面に付着させ、発光測定装置の中にセットし、その電極の電位を変化させて発光の強度を測定した。その結果、各膜中の希土類イオンは、各ナノシートのフラットバンド電位より貴になったとき発光し、卑の電位では発光しなかった。これは希土類イオンが貴の電位ではナノシートの価電子帯に生成したホールにより酸化されて+3が生じ発光すること、一方、卑の電位では伝導帯に生成した電子により還元されて+2になり、発光しなくなったと考えられた。このように電位によって発光が制御できるということは、膜の電圧制御で発光が制御できる素子の開発につながると期待される。 2.AサイトにEuイオンやTbイオンを含むTi-OとNb-Oペロブスカイトナノシートを作製し、その発光特性を調査した。その結果、Ti-OとEuからなるペロブスカイトのAサイトにGdイオンを共ドープすることによりEuの赤の発光は百倍増加した。一方Nb-0とTbからなるペロブスカイトのAサイトにLaイオンを共ドープしたものは、緑の発光が10倍増加した。この現象は共ドープした希土類イオンがエネルギー移動の間接的レベルとして働いていることによる。また、出発材料の層状化合物では、それぞれの希土類イオンの励起発光が生じるのに対して、ナノシートにするとナノシートの励起によるエネルギー移動が主になることが観察された。また、ナノシート溶液に磁場をかけるとその方向により発光が変化した。これはナノシートが磁場に対して平衡に並ぶからであると判定された。
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