研究課題/領域番号 |
16092218
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
山下 茂 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (30362833)
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研究分担者 |
中西 正樹 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (40324967)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 量子回路設計 / 多準位量子ゲート / Cosine-Sine分解 / Linear Nearest Neighbor / 量子回路の等価性判定 / 量子計算 / 量子封印 / Pure Dephaing / エラー回復 / 量子秘密分散 / Quantum Sealing / 量子秘密通信 / 量子分散アルゴリズム / 量子オートマトン / 量子オラクル計算 / 量子分散計算 / 量子プログラミング / 量子通信量 / 量子プッシュダウンオートマトン |
研究概要 |
本研究では、将来の量子計算機の有効な利用のために、様々な状況下での量子計算の能力の解析や利用方法に関しての研究を行っている。今年度は昨年度からの種々の研究を継続し、以下のような研究成果へと発展させた。 1.量子回路は一般に2準位で考えられているが、物理的な実現を考えると多準位系を用いたほうが現実的となる場合もあると考えられる。そこで多準位系の量子ゲートによる量子回路設計のために、与えられた任意のn次元のユニタリ行列を効率よく基本量子ゲートの積に変換する手法を考奏した。具体的には、従来からあるCosine-Sine分解における分割のサイズを適切に調整することにより、ある程度の規模の入力数ならば従来手法よりも少ない基本ゲート数で与えられたユニタリ行列を分解することができることを示した。 2.現在最も実現の可能性が高いと考えられている量子計算の実現モデルである、Linear Nearest Neighbor(LNN)アーキテクチャ上で、与えられた任意の量子回路を効率よく実行することが量子計算の実現には重要となると考えられる。そこで、任意の量子回路をLNNアーキテクチャ上で実現できるようにSWAPゲートを挿入して回路を変換する手法を考案した。提案手法は、ナイーブな手法に比べて少ない計算時間でSWAPゲートの数を削減することができ、また、今までに報告されている人手で設計された回路をより少ないSWAPゲート数でのLNN上の量子回路へ変換できる。 3.人手で量子回路を設計するときにLNNへの変換などを行うが、その際に予期せぬ間違いをすることがある。そのため、従来の回路設計と同様に、変換の前後の回路の等価性判定が重要となる。量子回路の等価性判定のために、ReversibleMiterと呼ばれる等価性判定を行うための回路を提案した。さらに、量子回路の等価性判定ツールQuIDDProと従来の回路の等価性判定ツールABCをReversibleMiterに組み合わせて、従来手法よりも高速に等価性判定を行う手法を考案した。
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