研究課題/領域番号 |
16101010
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大沢 真理 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50143524)
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研究分担者 |
田中 和子 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (60217015)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
80,210千円 (直接経費: 61,700千円、間接経費: 18,510千円)
2006年度: 20,540千円 (直接経費: 15,800千円、間接経費: 4,740千円)
2005年度: 42,250千円 (直接経費: 32,500千円、間接経費: 9,750千円)
2004年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
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キーワード | ジェンダー / ニュー・エコノミー / グローバル化 / 規制緩和 / 再規制化 / 福祉国家 / 国際研究者交流 / 多国籍 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究は、グローバル過程による収斂と経路依存性による分岐を整序することにより、欧米諸国が典型となるモデルでなく、日本を基軸に据える分析枠組を琢磨し、分析結果を提示した(業績および成果報告書第1分冊)。 すなわち、従来の福祉国家や福祉レジームにかえて、生活保障システムを比較考察の対象に据えることを提唱し、生活保障システムの機能不全ないし逆機能の所産として「社会的排除」の概念を取り入れた。生活保障システムの類型として、市場志向、「男性稼ぎ主」、両立支援を設定し、生活保障に寄与する制度・慣行として、社会的経済ないしサードセクターを明示的に組み込んだ。 「男性稼ぎ主」型は、ポスト工業化への対応に特に行き詰っているが、世紀転換期における日本の生活保障システムは、諸外国にもまして強固な「男性稼ぎ主」型である。日本では、生活に必要な財・サービスを生産し所得をもたらす諸関係のなかで、営利企業が圧倒的な比重をもち、その雇用処遇は依然として「男性稼ぎ主」中心である。政府は「小さな福祉政府」であって、小さいなりに「男性稼ぎ主」に対する所得移転を偏重するため、家族のあり方が多様化するなかで、次世代育成を支援する機能も、日々の最低生活を保障する機能も、きわめて限定的になっている。その間にも、企業が脱法性をまじえて社会保険制度から逃避する動きは加速し、社会保険が社会的排除の装置と化しつつある。 成果報告書第2分冊の相当部分を占める高齢者ケア労働の日独米調査では、「革新的な」ケア事業所に焦点を当てて、経営組織と人的資源開発の観点から、日本を参照基準とする比較を企図した。ケア労働者を高度な情報処理を求められる「知識労働者」として捉え、日独米の「革新的」な事業所には、情報・知識や意思決定の共有、情報の効率的な配分(リスク管理)などの実態、および共有や配分を円滑にする組織編成などの面で、共通点があることを見出した。
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