研究分担者 |
久保 百司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90241538)
DEL Carpio Carlos A. (DEL carpio C.A.) 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20231053)
高羽 洋充 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80302769)
遠藤 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90344704)
古山 通久 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60372306)
坪井 秀行 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20375182)
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配分額 *注記 |
113,620千円 (直接経費: 87,400千円、間接経費: 26,220千円)
2008年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2007年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2006年度: 22,100千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 5,100千円)
2005年度: 25,480千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 5,880千円)
2004年度: 39,520千円 (直接経費: 30,400千円、間接経費: 9,120千円)
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研究概要 |
最近,化学反応を含むトライボロジー現象いわゆるトライボケミカル反応の電子レベルでの解明に対する要求が高まってきているが,トライボケミカル反応を解明可能な理論計算プログラムは皆無である.本研究では,研究代表者が開発してきた高速化量子分子動力学プログラムColorsと,分子動力学法に基づき原子レベルでのトライボロジー現象の解明が可能なトライボロジーシミュレータTRIBOSIMを統合化し,トライボケミカル反応ダイナミクス解明可能なトライボケミカル反応シミュレータを世界に先駆けて開発し,これを活用した電子レベルでのトライボロジー材料・プロセスの理論設計を行うことを目的とした.平成16〜17年度は当初の計画通り,上記プログラムの統合化によるトライボケミカル反応シミュレータの開発,ハイブリッド量子分子動力学法プログラムHybrid-Colorsの開発とこれに基づくトライボケミカル反応シミュレータの開発,に成功した.平成18年度には,エンジンオイルのフリクション低減用添加剤ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)の酸化鉄基板上での化学反応ダイナミクスを検討したところ,MoDTC分子のアルキル基が解離し最終的にはMo-S結合が酸化鉄基板上に残るという化学反応ダイナミクスが得られた.また,エンジンオイル用リン酸エステル系極圧添加剤であるリン酸トリメチルのトライボケミカル反応ダイナミクスについても,摩擦条件下においてのみ鉄とリン酸トリメチルの酸素原子が結合することが解明された.平成19年度には,MoDTCより境界潤滑下,摩擦界面に形成する二硫化モリブデン(MoS_2)の境界膜間すべり現象に起因する摩擦緩和において,MoS_2の異なる原子層間の硫黄原子どうしのクーロン反発の寄与が大きいことをはじめて解明した.以上より本研究で開発したトライボケミカル反応シミュレータがトライボケミカル反応やトライボロジー特性解明において非常に有効であることが示された.
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