配分額 *注記 |
49,920千円 (直接経費: 38,400千円、間接経費: 11,520千円)
2007年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2006年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2005年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2004年度: 19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
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研究概要 |
手の運動とその視覚フィードバックとの相互作用について検討した結果、中枢神経系が,感覚器の測定誤差や運動の結果生じる誤差を考慮し,それに基づいて運動精度を予測(推定)しながら制御を行っていることが明らかにされた。また,前補足運動野が内的な運動予測に,右半球の後部頭頂皮質が自己運動のオンラインの誤差評価に,右半球の頭頂側頭接合部が,視覚フィードバック遅延を補償するような状態推定に関連することが示唆された.動的な情報に対する視触覚間感覚統合では,時間を手掛かりに重み付き線形和として統合されたダイナミクスの表象を有すること,統合過程における時間手掛かりと同時性知覚における時間手掛かりが独立の情報であることが示唆された.また,三次元物体を同一感覚内で認識する場合は,視点に依存的,独立的な形式の両方を併用しているのに対し,学習と異なる感覚で認識する場合に,視点に独立的な表現のみを用いていることが示唆された.日常物体に対する運動プログラムは習慣的な行為を実行している際には強く活動するのに対して,あまり習慣的ではない行為を実行する際には視覚的なフィードバックの役割が大きくなることを明らかにした。これらの結果は,日常物体に関する運動表象が,把持を行う部分と特定の手の形状間でのインタラクションの経験に基づいていることを示している。手の能動的運動によって物体認識の促進がみられることを実験的に明らかにした.またそれは,手を回転させたことによる運動系からの情報と視覚情報の間の相互作用によって,視点変換規則が獲得されていることが示唆された.さらに,能動的観察を行った被験者群において,左頭頂葉に電流双極子が推定される時間帯で左半球の脳磁信号強度が能動的観察後に有意に減少することが明らかにされた.
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