配分額 *注記 |
43,940千円 (直接経費: 33,800千円、間接経費: 10,140千円)
2006年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2005年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2004年度: 30,160千円 (直接経費: 23,200千円、間接経費: 6,960千円)
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研究概要 |
本研究では,生体力学に基づいた計算機シミュレーションとin vitro実験を駆使して,重要臓器梗塞の原因となる血栓の形成と崩壊,血栓の血流による移動,および塞栓とその成長といった一連のプロセスのマルチスケールな振る舞いを検討した.まず,ストークス動力学法や粒子法を用いた計算力学シミュレーションにより,血流下で生じる血小板凝集について,生物学的な因子と,血流による流体力学的な因子との関連を明らかとした.同時に,赤血球の変形挙動と見かけの血流抵抗との関連を示し,血球同士の相互作用が血流特性を決定付ける因子であることを明らかとした.また,異なる種類の血球間における力学的および生物学的な相互作用が血栓形成過程を決定することを示した.さらに,マイクロPIV装置を用いて,生体外で微小流路内の血流を定量的に計測する手法を確立した.同装置により,ヘマトクリット値に応じた血流速度の時空間的な揺らぎが計測され,血球の力学的な相互作用が微小循環における血流特性を支配することが示された.一方,地球シミュレーターを援用して,赤血球流動の大規模な計算力学シミュレーションモデルを提案し,血球(μm)から大血管(cm)のスケールに至る血流特性を説明する数理モデルを確立した.左心室と大動脈の統合モデルを開発し,血栓形成に大きな影響を与える血流の渦構造やよどみ点を詳細に評価する上で,同モデルを用いたシミュレーションが実用的な手段として有用であることを確認した.
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