配分額 *注記 |
48,490千円 (直接経費: 37,300千円、間接経費: 11,190千円)
2007年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2006年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2005年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2004年度: 17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
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研究概要 |
本研究の課題は,脱塩素化後の炭素残渣の再資源化技術を開発し,"塩ビ由来"というイメージを払拭した資源循環ができるようにすることである。そのためには,炭素残渣中の残留塩素を無害化する必要がある。再資源化技術としての"油化"は,油中の塩素の除去が課題である。我々の提案する活性炭への再生は,KOHを使用することで残留塩素が中和されるだけでなく,生成した塩も土壌中では肥料として利用できる利点がある。また,賦活処理は従来の方法と比べ低温で行えるが,使用する量が多量であるという欠点もある。これらの点を考慮して,脱塩素化後の炭素残渣の活性炭への転換を試みた。原料となる炭素残渣は,不活性気体中での炭化処理では容易に"易黒鉛性物質"になるため,活性炭化するためには"難黒鉛化"が重要であり,それは空気中300℃での前処理で可能であることを見出した。この処理により炭化物の収率が30%までに達成できた。KOH賦活では,通常4倍量を必要としていたが,本材料では3倍量・750℃処理で1000m^2/g以上の高表面積を得られることが明らかになった。この実験室レベルの結果に基づき,キログラム量の処理が可能な小型活性炭製造炉を作製して,難黒鉛化処理・KOH賦活を行った結果,実験室レベルで明らかとなった空気処理や賦活を施すことで同等の収率と性能を持つ活性炭が作製でき,ダイオキシン濃度は環境基準以下であった。本活性炭の性能は,ヤシガラや石炭系と比べ親水性が高く,Boehmの方法で定量した表面官能基(OH,COOH基)量も多く,それが親水性機能向上に寄与しているのではないかと推定した。さらに,これら表面官能基は硝酸,硫酸処理によって改質することが可能であり,特に低濃度の硝酸溶液中で撹拌することで容易に変えることができた。この活性炭の農業分野への応用については,現在,農地を使った試みを開始しており,今後,その結果が期待できる。
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