研究課題/領域番号 |
16201020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ構造科学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高柳 邦夫 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (80016162)
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研究分担者 |
谷城 康眞 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (40143648)
田中 崇之 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (10367120)
箕田 弘喜 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (20240757)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
49,010千円 (直接経費: 37,700千円、間接経費: 11,310千円)
2006年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2005年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2004年度: 26,130千円 (直接経費: 20,100千円、間接経費: 6,030千円)
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キーワード | 超微粒子 / その場観察TEM / 触媒 / 高分解能TEM / 金 / ルチル / 活性サイト / 電子顕微鏡 / ナノ粒子 / 走査型トンネル顕微鏡 / STM / 金触媒 / STS |
研究概要 |
本研究では、ルチル(TiO_2)基板に付着させた金ナノ粒子にっいて顕微鏡観察を行い、従来の学説を検討した結果、大きな進展があった。TiO_2試料の作製方法の違いによって触媒の活性が異なることはすでに知られていたが、TiO_2試料を酸素あるいは水素雰囲気中で前処理加熱や後処理加熱に依存して、付着する金ナノ粒子の形状やTiO_2表面が大きく異なることが明らかとなった。具体的観察結果を述べると、1)酸素処理したルチル{110}に金ナノ粒子を蒸着した場合、濡れの小さい粒状の金ナノ粒子を形成する。金が酸素終端したルチル表面と接合したためと見られる。 (2)水素処理したルチル{110}に金ナノ粒子を蒸着した場合、濡れのよいナノ粒子を形成する。チタンと金の合金ナノ粒子の形成か、金ナノ粒子がチタン終端のルチル表面に強く接合しているかのいずれかと思われる。 (3)水素処理した(110)表面を加熱すると金ナノ粒子は再び濡れの小さい粒状に変化する。これはルチル表面に一部酸素原子が補われた結果と思われる。このとき、金ナノ粒子の接合界面距離は一様でない。一部は酸素終端したルチル{110}に、一部はチタン終端したルチル{110}に接合したと見られる。こうした非一様な界面接合はCO酸化反応における高い活性を導く、と考えられる。 (4)従来、触媒作用については金粒子の周縁が活性である説と、金表面が活性サイトであるとする説がある。金ナノ粒子が酸素終端面に接合した場合は界面周縁説を支持し、金ナノ粒子がチタン終端面に接合した場合は金表面説を支持する。しかし、今回の観察結果から我々は第3の説を提案する。金ナノ粒子がチタン終端と酸素終端両方の終端面にまたがって接合している可能性がある。部分的に接合状態の異なる金ナノ粒子は、界面周縁だけでなく金表面上でも活発におこることを示唆する。 以上をまとめると、本研究では触媒物質のガス反応ダイナミクスを高分解能観察できるガス導入ホルダを開発し、さらに高分解能顕微鏡法で原子レベルで金ナノ粒子/ルチル界面構造を観察して活性サイトの研究を推進させた。
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