研究課題/領域番号 |
16201026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
金山 敏彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 次世代半導体研究センター, 副研究センター長 (70356799)
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研究分担者 |
多田 哲也 独立行政法人産業技術総合研究所, 次世代半導体研究センター, 主任研究員 (40188248)
宮崎 剛英 独立行政法人産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 主任研究員 (10212242)
日浦 英文 日本電気株式会社, 基礎・環境研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
48,100千円 (直接経費: 37,000千円、間接経費: 11,100千円)
2006年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2005年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2004年度: 20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
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キーワード | 表面・界面物性 / 原子分子処理 / 走査プローブ顕微鏡 / ナノ材料 / 電子・電気材料 / 遷移金属内包シリコンクラスター / 走査トンネル顕微鏡 / 第一原理計算 / 走査トンネルスペクトル / シリコン表面 / イオントラップ / 電荷移動型ドーピング / カーボンナノチューブトランジスタ / 反転層形成 |
研究概要 |
本研究課題は、遷移金属内包SiクラスターMSi_<12>を始めとする、特定の原子構造のクラスターを固体表面上に配列して界面電子状態を制御する方法を探索し、次の成果を得た。 1.組成を制御したクラスター形成の目的に、36本の柱状電極を正方格子状に配列した多重極電極の周りを篭状電極で取り囲んだイオントラップを開発した。 2.第一原理計算により、MSi_<12>の構造安定性と電子状態が、M原子とそれを取り囲むSi原子との間の電荷移動を伴った共有結合の強さにより、決まっていることを明らかにした。 3.Si(111)7×7表面上でMo原子とシラン分子の反応を生じさせて一定の大きさのMoSi_nクラスターを形成することに成功した。走査トンネル顕微鏡(STM)およびX線光電子分光による解析により、形成されたMoSi_nクラスターはエネルギーギャップを有する半導体で、n=6であることを明らかにした。 4.第一原理計算により、6角柱構造のMSi_<12>クラスターを平面上に配列すると、層状半導体を形成できることを見出した。バンドギャップは中心金属Mの金属種により異なるが、MoやZrの場合には、有限なギャップを持つ半導体となる。この層状半導体は、Si原子が6方格子状に並んだシート2枚を、間に入った遷移原子層が結合することで安定化しており、Mの原子種により、構造を保ったまま、半導体から金属まで電子状態をチューニングできる特徴を有している。 5.カーボンナノチューブトランジスタおよびSiの表面へ、TaF_6やC_<60>F_<36>などのクラスターを付着させることで、クラスターへの電子移動を生じさせ、伝導度変調や反転層形成が行えることを実証した。誘起キャリア密度の測定結果と理論モデルとの対比検討により、クラスターの電子状態と誘起キャリア量の関係を定量的に解析し、電荷移動型ドーピングに必要な条件を明らかにした。
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