研究課題/領域番号 |
16201043
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用ゲノム科学
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
西川 建 国立遺伝学研究所, 生命情報・DDBJ研究センター, 教授 (10093288)
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研究分担者 |
金城 玲 大阪大学, 蛋白質研究所, 客員助教授 (30370117)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
36,920千円 (直接経費: 28,400千円、間接経費: 8,520千円)
2006年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2005年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2004年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
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キーワード | 生物物理 / 蛋白質 / モデリング / 分子動力学 / 最適化問題 / 分子動力学シミュレーション / 構造サンプリング / マルチカノニカル法 / 力場 / 統計ポテンシャル / タンパク質 |
研究概要 |
本研究では、従来のホモロジーモデリングの発想を転換し、最新の理論計算手法を駆使することによって「X線構造並み」に精度の良いタンパク質の全原子モデル構造を導出しうる、「高精度モデリング」の実現を目指した。この方法では、従来のホモロジーモデリングで得られるモデル構造を初期構造とし、大規模エネルギー計算によって精密化を行う。このような高精度モデリングを成功させる上で克服すべき問題点が2つある。その第1は、「力場(エネルギー関数)の問題」であり、既存の力場を用いたエネルギー計算では、必ずしもX線構造がエネルギー最小構造に対応しない、という問題である。第2は、「構造サンプリングの問題」であり、タンパク質の構造空間の中でエネルギー最小点を探索する問題である。 本研究において、上記の第1の力場の問題に対しては、既存のAMBER関数系の一部を構造データベースから得られる統計ポテンシャルで置き換える修正を行った。これにより顕著な改良が見られた。第2の構造サンプリング問題に対しては、通常のマルチカノニカル法を発展させたWang-Landau法をMDに拡張した新しいWang-Landau-MDシミュレーション法を考案し、その開発に注力した。この方法はシミュレーションを行いながら重み因子を自動的に計算するため、従来のマルチカノニカル法における難点が克服され、これまでよりも高速な構造空間探索が可能になる。理論的な開発研究を行った後、テスト対象としてサイズの小さいタンパク質(Trp-Cage)を選び、従来法のレプリカ交換法と比較しながら、Wang-Landau-MD法の有効性を実証した。本研究では当初の計画を実現するには至らなかったが、我々の開発したWang-Landau-MD法は計算科学における拡張アンサンブル理論の分野での大きな成果だといえる。
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