研究課題/領域番号 |
16202012
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
史学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
江川 温 大阪大学, 文学研究科, 教授 (80127191)
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研究分担者 |
平 雅行 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10171399)
村田 路人 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40144414)
片山 剛 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30145099)
荒川 正晴 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10283699)
早瀬 晋三 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (20183915)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
27,040千円 (直接経費: 20,800千円、間接経費: 6,240千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2005年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2004年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
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キーワード | 葬送 / 死者記念 / 一般の死者 / 特別の死者 / 重層信仰 / 来世観念 / 死穢 / 霊魂観 / 生死観 / 冥界観 / 死の習俗 / 弔意 / 殉教 / 死者祭祀 / タナトロジー / 葬送儀礼 / 墓制 / 死の穢れ / 死者追悼・記念 / 先祖崇拝 / 神格化 / 社会統合 |
研究概要 |
死者を見送り、記念していくことは人類社会にとって共通の課題であり、諸文明は等しくこの問題に取り組んできた。葬送は死者との別離の儀礼を通じて生者の社会関係を再編する手続きであり、また死者の記念は生者の集団にとってそのアイデンティティを確認し、その再統合を図る営みである。死者の扱いは前近代から現代に至るさまざまな国家と社会を比較するための重要な手がかりとなるだろう。 しかしこの営みは、社会的に見れば二つの場合にわけることができる。「一般の死者」の場合、その記念と葬送は基本的には親族ないし近隣の人間集団の問題である。これに対して、より広い共同体ないし国家がその葬送ないし記念に関わらざるを得ないような「特別の死者」も存在する。たとえば君主や独裁権力保持者、諸宗教における殉教者、ある集団への政治的抑圧による犠牲者、戦争における軍人死者、民間人死者といった人々である このことを前提として、まずさまざまな宗教と死者の葬送・記念の問題を検討した。世界宗教はその成立時の教義における死者観とは別に、分布領域の各地域社会における死者の葬送・記念の需要に対応し、儀礼と思想を提供してきた。場合によっては、これらの儀礼と思想が異なる宗教間で授受された。ここには重層信仰の典型的な事例が見られる。 次に、「一般の死者」のための葬送・記念と「特別の死者」のためのそれの相互関係を検討した。前者は国家や大規模宗教団体の政治的必要に応ずるものであるが、後者との一定の対応関係が広く認められる。なぜなら前者は一般人の共感を集めることが必要だからである。 さらに宗教が影響力を後退させた近現代社会において、死者の葬送・記念が表現している意識について、また戦争による軍人、民間人死者の記念が含意する政治的メッセージについても諸事例を検討した。
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