研究分担者 |
坂上 学 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 助教授 (50264792)
白田 佳子 芝浦工業大学, 大学院工学マネジメント研究科, 教授 (80289793)
橋本 尚 青山学院大学, 大学院会計プロフェッション研究科, 教授 (00189490)
八重倉 孝 法政大学, 経営学部, 教授 (90308560)
及川 拓也 青森公立大学, 経営経済学部, 助教授 (00341743)
寺野 隆雄 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20227523)
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配分額 *注記 |
33,800千円 (直接経費: 26,000千円、間接経費: 7,800千円)
2006年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2005年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2004年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
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研究概要 |
監査領域における企業継続能力評価モデルの研究開発は,企業継続能力監査(以下GC)制度がスタートしている現在,研究者の理論的な関心事にとどまらず,実務にとっても重要な課題となっている。企業継続能力評価モデルについては,すでに50年前に線形判別関数を使ったアルトマン・モデルが提案され,その後,今日に至るまで数多くのモデルが提案されてきた。一般に判別関数を使ったモデルの場合,倒産企業と非倒産企業とをペアマッチさせ,それら企業の特定の指標(財務比率を用いることが多い)をサンプルデータとして関数の係数ならびに臨界点(倒産判別点)を確定させる。そうして構築した判別関数を適用して特定の企業の継続能力を示すと考えられる判別点を計算し,その結果と臨界点とを比較し当該企業の継続能力の有無を判定する。 判別関数を使ったモデルについては,事前的な(ex ante)判別能力の低さが指摘されており,そうしたパフォーマンスの低さの原因として,モデル構築にあたっての方法論上の問題点が指摘されている。誤判別が非常に重要な意味を有する領域(たとえば,医療領域)ではこのことがかなり以前から問題とされており,判別関数に代わるモデルの構築が必要とされてきた。監査に関しても,判別結果は被監査会社にとって決定的に重要な意味を有する。判別関数が構造的に問題点を有していることがわかっている以上,判別モデルの精度の向上を図るための研究だけではなく,ハザードモデルをはじめとした代替的なモデル開発をすることが重要である。われわれは,本研究において,わが国で実施されたGC監査の状況を概観した後,企業継続能力評価モデルを判別関数モデル,ハザードモデル,人工知能モデルに分けて,各モデルの開発とパフォーマンスの検証を行い,国際的な学会での報告を重ね一定の評価を得た。今後とも,判別モデルのパフォーマンスを向上させるための研究は,理論的にも実務的にも重要な課題となる。
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