研究課題/領域番号 |
16204019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
粕谷 厚生 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (10005986)
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研究分担者 |
伊藤 隆 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 助教授 (40302187)
田路 和幸 東北大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (10175474)
須藤 彰三 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (40171277)
樋口 秀男 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (90165093)
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
49,660千円 (直接経費: 38,200千円、間接経費: 11,460千円)
2006年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2005年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2004年度: 28,080千円 (直接経費: 21,600千円、間接経費: 6,480千円)
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キーワード | 微小粒子 / 半導体粒子 / 化合物半導体 / 光触媒 / 光電気化学反応 / 粒径制御 / 化学変換 / 分子分解 / 硫化物半導体 / 硫化水素分解 |
研究概要 |
原子が十数個から数千個結合して出来た微小粒子は、構成原子数に著しく依存する特異な電子状態と化学活性表面を持ち合わせた高機能性物質である。本研究では粒子の原子数を揃えて2次元或いは3次元に配列させた集積回路網を組み上げ、入射する電子、原子、分子、イオンが粒子表面或いは内部での反応を介して検知、伝達、分解、組み替え、蓄積される高速且つ高効率な化学変換デバイスの構築を試みた。 研究課題は、1.高機能性微小粒子の合成、2.集積回路網の組み上げ、3.化学変換デバイスの作製に分かれる。バルク結晶では実現しないような特性を有する物質を設計制作する観点から最大限に微小な粒子を作製することに主力を置き、光学的に有用なII-VI族半導体の一つであるCdSeについて、粒径が1nm台で原子数まで正確に揃ったナノ粒子、(CdSe)_n、を作製する方法を見出した。このように微小な粒子では原子数も100を割り、分子的となる。このため集積化、デバイス化に対しても原子レベルでの構築が可能であり必要ともなり、微視的な原子配列に基づく特徴的な物性を解析して高材料機能を生み出すナノ科学と技術としての貴重な手法を導出すことが出来た。 高機能性微小粒子の合成については、特に(CdSe)_nについて反応条件を整えることによって(CdSe)_<13>、(CdSe)_<34>、(CdSe)_<48>、(CdSe)_<60>等を単離することが出来た。これは(CdSe)_nについて原子数nが100を割るように少なくなると、粒子の安定性がnに著しく依存するようになり、13、34,48,60,などの特定の数でのみ安定となって成長するためとわかった。これにより、原子数まで正確に揃った1nm粒子を得る方法が見付かった。 集積回路網の組み上げについては単に配列させるに留まらず、有機ポリマー上に規則配列させた試料を作製することが出来た。 化学変換デバイスについても例えば粒子表面をトリオクチルフォスピン(TOP)と結合させると(CdSe)_nの発光効率を2桁以上向上させることが出来、ローダミンなどの実用有機色素と同等の特性を得る素子を作製することが出来た。 何れも原子レベルでの精密な構造制御によって性能や特性を飛躍的に高めた1nm粒子の作製と物性解析に基づき得られた成果である。
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