研究課題/領域番号 |
16204031
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
山本 喜久 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (60370102)
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研究分担者 |
根本 香絵 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 助教授 (80370104)
松本 啓史 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 助教授 (60272390)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
29,380千円 (直接経費: 22,600千円、間接経費: 6,780千円)
2006年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2005年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2004年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 量子コンピュータ / 量子エレクトロニクス / 情報基礎 / 線形光学量子情報処理 / 電子スピン / デコヒーレンス / ドナー不純物 / 量子コンビュータ / 量子計算 / ユニバーサリティ / 光学非線形性 / 電磁誘導透過 / 半導体 |
研究概要 |
量子情報処理システムの実現にとって光の非線形性は大変小さいことから、これまでは線形光学量子情報処理の研究が光を用いた量子情報処理の研究においては主流を成してきた。しかしながら、この方法は膨大な物理的リソースが必要とされることが予想され、実現化は極めて困難であることが最近の研究によって示唆されている。本研究は光を用いた量子情報処理に、弱いが非常に損失の少ない非線形性を効率よく用いるという画期的な方法によって、線形光学量子情報処理が抱えていた問題に新しい指針を与えることに成功した。この弱い非線形光学量子情報処理計算の方法は線形光学量子情報処理の方法とは本質的に異なり、さまざまなプロトコルや量子計算モデルにも応用できることから、新しい実現化の方法として注目されている。本研究においてもプロトコルや量子計算において非線形光学量子情報処理の方法の効率性と優位性を示した。 また、このような損失の極めて少ない光非線形の実現手段として、半導体(GaAs)中のドナー不純物に束縛された電子のゼーマン2準位を基底状態、ドナー不純物に束縛された励起子(エキシトン)を励起状態とするラムダ構造を用いて、ドナー不純物濃度が10^13(cm^-3)程度の高純度GaAsにおいて電磁誘導透過(EIT)現象を初めて観測することに成功した。また、非線形光学量子計算の素子の開発に向けて、単一のドナー不純物をマイクロ共振器に閉じ込めた系で、^<19>F:ZnSe、^<29>Si:GaAsのデコヒーレンス時間の評価、単一不純物のアイソレーション、マイクロキャビティへの埋め込み技術の検討を進めた。^<19>F:ZnSeシステムに関しては、MBE成長法とプロセス技術の改良により、安定に単一不純物をアイソレートすることに成功した。^<29>SSi:GaAsに関しては、T_1時間の評価を行ない、T_1>4msecという極めて長いT_1時間の観測に成功した。
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