配分額 *注記 |
51,350千円 (直接経費: 39,500千円、間接経費: 11,850千円)
2006年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2005年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2004年度: 42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)
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研究概要 |
差動排気装置付き同位体比質量分析計(Thermo, DELTA^<plus>XP)を新規購入し,現有のガスクロマトグラフと連結することによって,混合気体試料中の気体濃度と同位体比を同時測定する連続フロー式同位体質量分析(CF-IRMS)システムを構築した。海水中に溶存する酸素および水素に注目し,分析条件の最適化を進めるとともに,海水試料分析のための気体抽出装置を製作してCF-IRMSに連結した。試料採取のため,研究船白鳳丸KH-04-5次研究航海(南極海を含む南太平洋,平成16年11月〜平成17年3月),淡青丸KH-05-11航海(日本海,平成17年5月),白鳳丸KH-05-2航海(北太平洋,平成17年8月〜9月),および白鳳丸KH-06-2航海(フィリピン海,平成18年6月)に参加し,表層から底層に至る海水試料を,CTDカローセル採水装置を用いて採取した。日本海,フィリピン海およぴ北太平洋における酸素と酸素同位体の同時計測データを初めて得た。大気-海洋間の気体交換と海洋内での生物過程(光合成と有機物分解)の詳細解明を目的として,海洋モデルによるデータ解析を進めた。表層水のδ^<18>O値は大気酸素の値より低く,光合成由来の酸素(同位体比が低い)が付加されていること,混合層以深では酸素濃度の減少とともにδ^<18>O値は増加し,有機物分解による酸素消費に伴う同位体分別の起こっていることなどを明らかにした。一方,溶存水素ガスの安定同位体比測定についても,海水中のバックグラウンドレベルの水素測定のため感度向上に努めるとともに,気体濃度の高い海底熱水試料に本法を応用した。インド洋中央海嶺と西太平洋背弧海盆熱水に溶存する水素の濃度とδD値を初めて測定し,水素ガスの起源が多様であることを明らかにした。
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