研究課題/領域番号 |
16205008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
関口 章 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (90143164)
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研究分担者 |
一戸 雅聡 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (90271858)
中本 真晃 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 講師 (90334044)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
50,960千円 (直接経費: 39,200千円、間接経費: 11,760千円)
2006年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2005年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2004年度: 40,430千円 (直接経費: 31,100千円、間接経費: 9,330千円)
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キーワード | 元素科学 / 高周期典型元素 / 開殻分子 / 常磁性分子 / ラジカル / カチオン / アニオン / ケイ素 / 電子移動反応 / 電子状態 / 高周期元素 / ジシレン / ジシレンジアニオン / 金属置換シリルラジカル / シリレンアニオンラジカル / 高周期14族元素 / 高周期14族元素多重結合 / 高周期14族元素ラジカル種 / 高周期14族元素カチオン種 / 高周期14族元素アニオン種 |
研究概要 |
強磁性分子、強磁性有機材料の設計性を拡充するため、高周期典型元素安定ラジカルの創出とその構造、電子物性・化学的特性の解明を目的として検討を行った。即ち、各元素のラジカル、カチオン、アニオン、イオンラジカル等の系統的合成法を確立し、構造、物理的・化学的性質等の基本的物性の評価を行い、機能性物質としての活用を検討した。 1.電気陽性なジ-tert-ブチルメチルシリル基を置換基とするジシレンの化学的1電子酸化・還元により対応するラジカルカチオン塩、ラジカルアニオン塩を安定に合成することに成功し、その構造、電子状態について検討した。その結果、ジシレンラジカルカチオンのsp^2ケイ素原子は共に平面3配位を保持しており、スピンが二つの骨格ケイ素原子上に非局在化した電子構造を持つことを実験的に明らかにした。一方、ジシレンラジカルアニオンでは一方のsp^2ケイ素原子は平面3配位であるのに対して他方のsp^2ケイ素原子はピラミッド化しており、参照化合物との構造比較、常磁性共鳴スペクトルの詳細な解析、理論計算から、平面3配位ケイ素にはスピンが、ピラミッド化した3配位ケイ素には負電荷が局在化した電子構造を持つことを明らかにした。 2.立体的に嵩高いトリアルキルシリルナトリウム種が求核反応性と還元力を併せ持つことに着目し、二価ゲルマニウム塩化物、二価スズ塩化物との反応によりワンポットでπ共役安定化のないシリル置換ゲルマニウム及びスズラジカル種をグラムオーダースケールで安定に合成、単離することに成功した。また、利用可能な二価塩化物が存在しないケイ素については、対応する4価ジプロモシランとの反応、引き続く二価ゲルマニウム塩化物で1電子酸化することによりシリル置換シリルラジカル種を合成することに成功した。いずれのラジカル種も結晶中において分子間の相互作用がないフリーラジカルとして存在し、スピンが一次元に配列した新規なナノ構造であることを明らかにした。また、一連のケイ素、ゲルマニウム、スズラジカルも容易に一電子酸化、一電子還元反応を受けることも明らかにした。 3.三つのジ-tert-ブチルメチルシリル基が置換したアルミニウム、ガリウム化合物を合成し、それらの1電子還元で対応するラジカルアニオンを安定に単離することに成功し、分子構造を決定した。ケイ素、ゲルマニウム、スズラジカルと等電子構造を持つ13族元素アニオンラジカル種の合成法を開発し、その酸化、還元挙動についても併せて検討を行った。
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