配分額 *注記 |
47,840千円 (直接経費: 36,800千円、間接経費: 11,040千円)
2007年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2006年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2005年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2004年度: 15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
本研究は半導体2次元フォトニック結晶光機能デバイスを高性能化し,それを集積化する基盤技術の開発を目指した.まずGaInAsP半導体に形成したフォトニック結晶ナノレーザの最適化をはかり,格子シフト型構造を採用することで光励起による室温連続動作を初めて達成した.同レーザは最小のモード体積も記録し,それによる自然放出確率の増大(パーセル効果)を室温において初めて明瞭に観測することにも成功した.さらに同レーザの高次モードを用いて共鳴励起を行い,レーザモードとの複雑なスペクトルシフトによるスイッチング動作も発見した.一方,このデバイスでは,レーザ光を高効率に取り出すのが難しかった。そこでアクティブ層とパッシブ層をモノリシック集積したバットジョイント再成長基板を用い,レーザ光をパッシブ導波路にエバネッセント結合させた。その結果,4%の外部微分量子効率を評価した.さらに直線型レーザで導波路との結合を改善したデバイスでは,最大で20%の効率を評価し,最大出力も10μWを越えた.これらはフォトニック結晶微小レーザで初めての高効率,高出力である.この技術を発展させ,フォトニック結晶導波路のスローライトにより利得を増大させた光増幅器にも取り組んだ.ここでは深い円孔を形成した半導体三層構造を採用したため,放熱や電流注入も期待した.深い孔を形成するヨウ化水素系ICPエッチング法を確立し,デバイスを作製したところ,スローライト領域で伝搬光の増大が確認された.ただし内部損失のために正味の利得には達しなかった.電流注入デバイスも作製し,こちらも正味の利得には達しなかったが,10μmのデバイス長,3mAという微弱電流で10dBのON/OFF比を示すゲート動作に成功した.以上,本研究ではフォトニック結晶デバイスの大幅な高性能化を達成し,半導体集積の見通しを与えることに成功した.
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