配分額 *注記 |
49,530千円 (直接経費: 38,100千円、間接経費: 11,430千円)
2006年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2005年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2004年度: 28,470千円 (直接経費: 21,900千円、間接経費: 6,570千円)
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研究概要 |
本研究は,固体メモリの高速性,磁気記録の不揮発性,さらには熱磁気記録媒体の安定性を兼備した記録記憶デバイスの開発を目的とし,微細加工した磁性膜に熱磁気記録ならびにスピン注入磁気記録を試みたものである. この研究では,大きな垂直磁気異方性を有し常温で磁化状態の熱的安定性に優れたTbFeアモルファス膜を記憶媒体に用い,電子ビームリソグラフィにより微細加工を施して記録素子とした.ここでは,微細加工したTbFe素子に直接,電流を流すことにより加熱,書込みを行なった.その結果,0.5μm^2の素子において,100 Oeの磁界の下で0.14mW,100nsの電流パルスによって書込みに成功した.書込みに必要な電力は,パルスの継続時間が短くなるとともに増加するが,その傾向は熱拡散のシュミレーションとほぼ一致している. TbFeアモルファス膜を固体磁気メモリに応用するには,読み出しのためのトンネル磁気抵抗効果が大きいことが必要であるが,TbFe(フリー磁性層)/絶縁層/TbFeCo(固定磁性層)では大きな磁気抵抗効果が得られないことから,磁性層と絶縁層の界面に1nmのCo層を挿入したトンネル磁気抵抗効果膜を作製し12%程度の磁気抵抗効果を得た.今後,挿入層の組成や層厚を最適化することによって,さらに大きなトンネル磁気抵抗効果を得る見込みである. スピン注入による磁化反転は,未だ面内磁化膜で確認した段階であり,垂直磁化膜については,今後の研究課題となった.
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