配分額 *注記 |
49,920千円 (直接経費: 38,400千円、間接経費: 11,520千円)
2005年度: 24,960千円 (直接経費: 19,200千円、間接経費: 5,760千円)
2004年度: 24,960千円 (直接経費: 19,200千円、間接経費: 5,760千円)
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研究概要 |
本研究課題の研究成果概要を下記に示す。 オルガノイド培養によるES細胞から肝細胞への分化誘導技術の開発として,遠心力を利用して中空糸内部にてオルガノイドを形成させる中空糸/オルガノイド培養を用いて検討を行った。まず齧歯類であるマウスES細胞を用いて検討を行った結果,中空糸内部に充填されたマウスES細胞は活発な増殖能を示し,高密度培養を達成するとともにオルガノイドを形成した。さらにES細胞から肝細胞への分化誘導効果が報告されている種々の分化誘導因子を添加することによりmRNAレベルでの種々の肝特異的マーカーの発現とともに,アルブミン分泌能,アンモニア除去能の発現が認められた。高密度培養を達成した結果,培養空間体積あたりでは初代マウス肝細胞と比較して1/2〜同等程度のアルブミン分泌能,アンモニア除去能を発現することが示された。次に霊長類ES細胞であるカニクイサルES細胞を用いた検討を行った結果,同様に旺盛な増殖能を示し高密度培養を達成した。一方肝機能評価としてアンモニア除去能を評価した結果、特別な分化誘導因子を添加することなく機能の発現が認められた。サルES細胞を用いたオルガノイド培養法における肝機能発現レベルを初代ブタ肝細胞、初代ヒト肝細胞およびヒト肝芽腫由来細胞株であるHepG2、C3Aと比較した。その結果、培養空間体積あたりでの機能発現レベルは初代肝細胞の約1/3、ヒト肝由来細胞株と同等の値を示した。分化誘導条件の最適化によりさらなる機能向上も見込め,本結果は将来的に同じ霊長類であるヒトES細胞に適用することにより,臨床用人工肝臓開発における細胞源確保の課題を解決する有望な手段であることが示された。
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