研究課題/領域番号 |
16206097
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
川合 將義 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (10311127)
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研究分担者 |
栗下 裕明 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50112298)
粉川 博之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10133050)
義家 敏正 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (20124844)
菊地 賢司 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (70354769)
渡辺 精一 北海道大学, エネルギー変換マテリアル研究センター, 教授 (60241353)
二川 正敏 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (90354802)
川崎 亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50177664)
原 信義 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40111257)
神山 崇 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60194982)
山村 力 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005363)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
50,180千円 (直接経費: 38,600千円、間接経費: 11,580千円)
2006年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2005年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2004年度: 21,840千円 (直接経費: 16,800千円、間接経費: 5,040千円)
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キーワード | 高エネルギー量子場 / 宇宙材料 / 放射線損傷 / 衝撃損傷 / メカニカルアロイング / 粒界工学 / 表面改質法 / 照射後試験 / タングステン / 粒界制御材 / ステンレス鋼 / タンタル被覆タングステン / Nb-Al複合材 / 亀裂伝播阻止機能 / 陽電子消滅法 / Nb-Al合金 / 粒界制御法 / CrN被覆 / アークイオンプレーティング / 水銀標的 / バブルダイナミクス / キャビテーション / 材料開発 / 衝撃 / 放射線 / ターゲット / 宇宙 / セラミックス / 構造材 / ナノ材料 |
研究概要 |
核破砕場と宇宙を対象として、耐衝撃特性と耐放射線損傷の強い材料の開発研究を行った。 主要な結果は以下の通りである。(1)核破砕中性子源の固体ターゲット材用に炭化チタン分散型の高靭性タングステンをメカニカルアロイング法により開発し、タングステン材料では世界で初めて超塑性を実現できた。(2)ターゲット等の構造材として重要なステンレス鋼について、耐放射線特性を向上させるため、加工熱処理により多数の焼鈍双晶を導入することによって低エネルギー構造粒界(対応粒界)を高頻度かつ均一分散させた粒界制御したステンレス鋼を創出した。(3)タングステンの腐食と放射化の問題を解決すべく、イオンプレーティングでのPVD法および2重ビーム法、電気化学法によってタングステン板の周囲に安定してCrNの薄膜層を形成できた。(4)水銀ターゲット容器壁やビーム窓のピッティング対策として、高速度ビデオによってバブル形成の機構を明らかにするとともに、(5)ステンレス鋼の表面改質効果を調べ、とりわけ窒化および侵炭法の複合的な表面処理によって、ピッテング損傷の進展を一桁送らせることができた。(6)宇宙材料として、アルミニウム-チタン系の高靭性複合セラミックスを開発した。(7)宇宙塵が衝突した際の亀裂伝播を防止する機能を付与したニオブ-アルミ系の合金を開発した。上記の材料について機械試験や腐食試験を行い、所定の機能を持っていることを評価した。(8)MW級の固体ターゲット用にHIP法(熱間静水圧加圧法)によって開発したタンタル被覆のタングステン薄板を高温からの急冷試験を行い、破損が生じず、冷却水の喪失事故時に対応可能なことが確認できた。(9)陽電子消滅法により、粒界制御の工程がステンレス鋼に損傷を与えない事、材料試験炉での中性子照射損傷効果を明確にした。(10)超高圧電子顕微鏡の電子線および陽子ビームを用いた照射シミューション実験にて、粒界制御材が普通材に比べて放射線損傷に強そうだというデータ、さらにニオブ-アルミ系の合金が期待した中間金属を形成し、亀裂伝播の防止機能を持っていそうだという結果を得た。(11)さらに材料の放射線損傷試験として、スイスの核破砕中性子源施設に送って放射した材料の照射後試験を行った。その結果、日本のステンレス鋼JPCAが、3dpa以上の照射でも伸び特性を持っている事、生成ガスの保持量を明らかにできた。以上で、損傷研究の基礎的な手法が得られた。 今後、損傷データの一層の採取と理論的研究を通じてさらなる材料開発研究に展開したい。
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