研究課題
基盤研究(A)
(1)肺芽形成過程におけるFgf10の予定呼吸器官中胚葉での発現は、一次気管支内胚葉の突出に対応する位置へと収束し、これは中胚葉におけるHoxb-6の勾配を持った発現前方境界で起きる。Hoxb-6の強制発現や機能抑制実験から、Hoxb-6発現境界の両側でFgf10が誘導されることが判明し、Hoxb-6は細胞間相互作用を介してFgf10発現を制御することがわかった。Hoxb-6はEphA4発現を抑制し、efnb1発現を促進する。異所的なEphA4とefnb1の発現はFgf10発現とその境界で促進し、それぞれの発現ドメイン内ではFgf10の発現を抑制する。このことからHoxb-6はEphA4及びefnb1発現の制御を介してFgf10発現を制御することがわかった。Hoxb-6発現境界はFgf10発現制御ばかりでなく、肺芽形成のシグナリングセンターとして機能し、予定呼吸器官の後部で左右一対の肺芽形成を誘導する機能があることが示された。(2)Fgf10の肺芽中胚葉特異的発現を制御する遺伝子上のエレメントをトランスジェニックマウス法で解析し、肢芽エンハンサー活性をも持ち合わせる第一イントロンの7kbDNA断片上に肺芽エンハンサーも存在することがわかった。この断片上には複数の肺芽特異的エンハンサーが存在し、これらはFgf10プロモーターもしくはその上流配列との特異的な協調的相互作用を介して機能発現することが明らかとなった。(3)予定呼吸器官領域で特異的に発現する遺伝子を網羅的に解析し、特にFgf10発現と関連性のある転写調節因子Isl1,Tbx20等がこのような遺伝子として見いだされた。このような遺伝子は心臓でも発現がみられ、初期発生過程での予定領域決定の関連性が推測されるWnt2が極初期から予定肺中胚葉で発現し、Fgf10発現制御との関連性が示された。
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