配分額 *注記 |
46,800千円 (直接経費: 36,000千円、間接経費: 10,800千円)
2006年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2005年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2004年度: 27,170千円 (直接経費: 20,900千円、間接経費: 6,270千円)
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研究概要 |
1.Bmdsxの性特異的スプライシングの機構: Bmdsxはカイコの第25染色体に座乗し、性分化を支配する遺伝子の一つである。Bmdsxの第2〜4イントロンの左右のみを含む短縮イントロンを導入したBmdsxミニ遺伝子を構築し、piggyBac法によりカイコに形質転換したところ、雌雄それぞれの個体に特異的なスプライシングが観察された。また,第4エクソンの5'端に雄特異的なスプライシングに必須のシス因子を発見し、そこに結合するタンパク質(p40)を同定した。雄の培養細胞でp40の遺伝子をRNAiで抑制すると雌型のスプライシングを生じた。 2.W染色体上の雌決定遺伝子の解明: カイコの性染色体は,雌芽ZW,雌がZZである。W染色体の植えには雌性を決定する重要な遺伝子があることが知られているが、いまだ単離されていない。W染色体の各種欠失や転座の系統を比較解析し,雌決定因子FemがRAPDマーカーRishikiの近傍にあることを発見した。この領域にはいくつかのタンパク質コード遺伝子があるが、クワコのW染色体にはそれらが存在しなかった。 3.Z染色体の構造と機能 ゲノム情報の解析により,カイコのZ染色体には655個の遺伝子が発見された。それらの中には雄の神経活動や筋肉活動に必要と思われる遺伝子が多く含まれており、たとえば概日時計の中心構成要素であるper, cik, cycのホモログや,間接飛翔筋の成分パラミオシンなどの遺伝子がZ染色体に座乗していた。 4.生殖細胞の性分化とくに卵形成の機構: シストサイト分化期のSAGE解析を行ったところ、卵巣に特異的かつ多量に発現する新規な非コードRNA (Ovacahamp)を発見した。OvachampをRNAiで抑制したところ卵形成が顕著に阻害されたので,Ovachampは卵形成に必須の遺伝子であることが示された。
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