研究分担者 |
竹中 中里 (竹中 千里) 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40240808)
服部 重昭 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30273212)
杉本 敦子 北海道大学, 大学院・環境科学研究院, 教授 (50235892)
井良沢 道也 岩手大学, 農学部, 准教授 (40343024)
檜山 哲哉 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 准教授 (30283451)
田中 隆文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (40192174)
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配分額 *注記 |
50,180千円 (直接経費: 38,600千円、間接経費: 11,580千円)
2007年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2006年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2005年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2004年度: 21,190千円 (直接経費: 16,300千円、間接経費: 4,890千円)
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研究概要 |
亜高山帯での山岳霧の発生メカニズムとその化学組成が亜高山森林生態系に与える生態学的影響を定量的に明らかにするために,岐阜県・乗鞍岳,岩手県・八幡平において気象観測,水蒸気の化学組成,安定同位体観測を実施した.その結果,以下のことが明らかになった. 山岳霧を代表する放射霧,上昇霧の発生日と非発生日には気象条件の時空間分布に顕著な相違が認められた.特に,気温低減率,比湿,風向の日内変動に顕著な差がみられた.これらのことから,山岳霧は山谷風の局地循環が強く発生する条件下での発生が多くなることが示された.水蒸気の安定同位体の解析から,標高による安定同位体の差が1日2回のピークを持つ日内変動を示すことが明らかにされた.このことから,上昇霧のソースの一部は夜間に盆地底部に貯留されていた水蒸気を起源としていることが示唆された.観測対象の対象とした水蒸気収支解析を行った.その結果,主な水蒸気ソースは谷下流端における移流成分と蒸発散成分であることが明らかになった.そして,蒸発散成分は日供給量の5〜68%を占めることが推定された.このように,地表面からの水蒸気供給が水蒸気収支に対して大きな役割を果たしていることが示された. また,樹体の濡れ時間観測により降雨以外で樹体が濡れている状態におかれるのは15%におよび,その時間帯は5時前後の明け方に集中し,日中にはほとんど濡れが発生していないことが観測された. 酸性霧暴露と乾燥ストレスまたはオゾン暴露の単独・複合ストレス下での活性酸素消去系酵素活性を測定したところ,乾燥ストレスによるCAT活性の上昇,オゾン暴露によるSOD活性の低下,CAT,APX活性の上昇傾向が認められた.これらの結果は酸性霧暴露による影響というよりはむしろ,乾燥ストレス,オゾン暴露それぞれのストレスを反映するものである.
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