研究課題/領域番号 |
16208030
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
稲葉 睦 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (00183179)
|
研究分担者 |
堀内 基広 (堀内 基弘) 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (30219216)
稲波 修 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (10193559)
梅村 孝司 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (00151936)
山本 雅之 筑波大学, 基礎医学系先端学際領域研究センター, 教授 (50166823)
陰山 聡一 北海道立畜産試験場, 畜産生物工学科, 主任研究員 (80390863)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
50,310千円 (直接経費: 38,700千円、間接経費: 11,610千円)
2006年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2005年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2004年度: 25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)
|
キーワード | プリオン病 / 分子診断 / 造血前駆細胞 / AHSP / サイトカイン / 転写制御 / 人獣共通感染症 / 牛 / PrPc(cellular prion protein) |
研究概要 |
1)AHSP遺伝子の5'上流領域プロモーター領域の解析から、赤芽球系分化誘導時には、翻訳開始点上流-328〜-286bpに位置する3カ所の転写因子GATA結合モチーフがAHSPの転写活性化に必要な最小要素であることが明らかになった。EMSA解析等の結果を加え、赤芽球系前駆細胞におけるAHSPの転写にはGATA-1の作用が必須なことが明らかになった。同時に、PrP^<Sc>侵襲によるAHSPの発現抑制には、GATA-1による転写制御が関連することが推定された。 2)プリオン感染マウス由来脳乳剤、あるいはPrP^<Sc>持続感染神経細胞株ScN2a存在下にMELhide8細胞を培養し、AHSP等の発現を解析した。しかし、赤芽球系分化誘導時、AHSPをはじめ、α-グロビン、β-グロビン、GATA-1、EKLF、NF-E2などの転写にはいずれも何ら影響が認められず、また、長期継代後にもMELhide8細胞にはPrP^<Sc>の蓄積が全くみられなかった。これらの結果から、PrP^<Sc>はMELhide8細胞に対する直接作用をもたないことが明らかになった。 3)MELhide8細胞におけるAHSP mRNA発現量、ならびに上記GATA依存性のAHSPプロモーターレポーター遺伝子発現は、IL-6の添加で濃度依存性に抑制された。IL-1βにも類似作用が認められたが、その効果はIL-6に比して低かった。これらの作用は、STAT3経路の抑制により明確に減少した。したがって、赤芽球系細胞におけるAHSPの転写抑制は、プリオン病で増加する炎症性サイトカインによるGATA依存性転写のSTAT3系による抑制を介することが示された。 4)牛末梢血赤血球の細胞質にAHSPが存在することが明らかになった。BSE感染個体由来脳を接種した牛群の末梢赤血球AHSP含量は、健康個体のそれと有意差は認められず、早期診断マーカーとすることは困難なことが判明した。
|